【TREND】フランやスウェーデンクローナを注視

欧州中銀(ECB)の引き締めへの思惑が、スイスフラン(CHF)やスウェーデンクローナ(SEK)を対ドルで押し上げる傾向が強まっています。7月24-28日の週はスウェーデンの経済指標が注目されるでしょう。

ECBのQE縮小論議は秋ごろの見通し


ECBは7月20日に開いた理事会で、想定通り現行の金融政策維持を決定しました。また、ドラギ総裁はその後の記者会見で、量的緩和に関して資産買入れプログラムの縮小に向けた議論を秋までに開始するとの方針を示しています。ECB内では、ユーロ圏経済が回復の軌道に乗ったとの認識で一致しているものの、安定的な物価上昇に関する見方については濃淡があります。ドラギ総裁の発言は想定していたほどタカ派寄りではなく、むしろ慎重だったと言えるでしょう。

ただ、ドラギ総裁からは足元のユーロ高をけん制する発言が聞かれませんでした。それがユーロ高容認と市場に受け止められ、買いが再開しユーロ・ドルは1.17ドル近くに上昇。2015年8月以来、実に約2年ぶりの高値水準まで値を切り上げました。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内追加利上げへの観測が後退していることも、ユーロ上昇の支援要因となったようです。節目の1.15ドルを上抜けたことから、需給バランス次第でユーロ買いはなお続く見通しです。

スイス経済の回復基調を見極め


こうした堅調地合いのユーロの値動きを受け、同じ欧州通貨のフランスフランも対ドルで上昇基調が続いています。ドル・スイスフランは6月中旬の安値から1カ月あまりで3%程度下落(フランは上昇)しています。スイス経済に関しては、インフレ関連指標が今年に入って上昇に転じたものの、6日に発表された6月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.2%と伸びが鈍化しました。ユーロ圏経済同様に回復基調が今後も継続するか、見極めが必要となりそうです。

スウェーデンの追加利下げ観測は後退も


また、ユーロの代替通貨と位置づけられるスウェーデンクローナも、ユーロとともに対ドルで上昇傾向となっています。ドル・クローナはこの1カ月程度の間に6%超下落(クローナは上昇)しました。リクスバンク(中銀)は今月4日にマイナス金利政策を据え置きましたが、今後の追加利下げの可能性については否定的と報じられています。今週発表の6月生産者物価指数(25日)、6月失業率(27日)、4-6月期国内総生産(28日)が堅調なら、目先の引き締めを期待したクローナ買いが強まりそうです。