本日のドル/円は上げ渋る値動きとなりそうです。明日から始まる閣僚レベルの米中貿易交渉で摩擦回避への期待感から、円買いは後退。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で今後の利上げ休止への観測が広がり、ドル売りに振れる場面を想定します。
材料難のなかレンジ取引
2月19日のドル/円は変わらず。アジア市場では、豪準備銀が2021年序盤まで政策金利を据え置くハト派的な見解で豪ドル/円が売られ、クロス円の下落に波及。ドル/円は110円50銭を割り込みましたが押し目買いもみられ、底堅い値動きとなりました。その後、日銀の黒田東彦総裁が物価上昇目標の達成に向け追加的な緩和策に言及したことで円売り主導となり、ドルは110円70銭台に浮揚しました。
欧米市場でも円売りが続きドルは110円82銭まで値を上げますが、利益確定売りが上昇を阻止。3連休明けのNY市場は材料難のなか、米10年債利回りの低下で110円40銭台まで売られました。その後はプラス圏推移となったNYダウにサポートされ小幅に持ち直すものの、NY連銀総裁のハト派寄りな見解で戻りの鈍い展開に。ドルは最終的に110円59銭で取引を終えました。
欧米の景況感に関心
2月20日は、アメリカの経済指標ではMBA住宅ローン申請件数指数(21時)とレッドブック(22時45)が材料視されそうです。特に、今月発表された昨年12月の小売売上高が9年ぶりのマイナス幅となるなど、消費の減退が顕著になってきました。レッドブックはそれを反映し、前月比では今年1月からマイナスに転じています。今晩も弱い内容となれば景気減速がより意識されるでしょう。
その後発表されるユーロ圏の消費者信頼感は昨年6月に下げに転じた後、マイナス幅を拡大しています。今年1月は一服したものの、足元では改善を示す経済指標はみられず、2月以降も低調な内容となりそうです。その場合、ユーロ/ドルの下落でドル/円を押し上げる展開を予想します。とはいえドルも積極的には買いづらいため、結局方向感の定まらない値動きとなるでしょう。
■主な注目材料(日本時間)
06:45 NZ10-12月期生産者出荷価格
08:30 豪WMI先行指数
08:50 日1月貿易収支
09:30 豪10-12月期 労働賃金指数
16:00 独1月生産者物価指数
16:00 デンマーク2月消費者信頼感
16:00 トルコ2月消費者信頼
17:00 南ア1月消費者物価指数
18:00 ポーランド1月生産者物価指数、工業生産高
20:00 英2月CBI産業受注動向
21:00 米MBA住宅ローン申請件数指数
22:55 米レッドブック
00:00 ユーロ圏2月消費者信頼感
04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
(日程は変更になることもあります)
弱気なFOMC議事要旨を材料視
本日アジア市場の早朝、ドル/円は110円50銭から110円60銭の水準で推移。この後は米株高を受けた日本株高で小幅円売りに振れ、ドルは110円半ばから後半のレベルでの推移を予想します。21-22日に開催される閣僚レベルの協議に対する楽観的な見方から円買いは抑えられ、前日同様110円前半は下値が堅い見通し。ただ、ドル指数は下落基調で上値は重くなりそうです。
今晩公表されるFOMC議事要旨から利上げ休止観測が広がり、ドルを下押しする展開とみます。FOMCメンバーがどの程度弱気であるかが焦点でしょう。