本日のドル/円は上げ渋る展開となりそうです。米中貿易交渉への楽観的な見方から、警戒の円買いは縮小する見通し。ただ、本日もドル買い材料が乏しいなか、豪準備銀のハト派寄りのスタンスが材料視されればクロス円を通じ、ドルを下押しするでしょう。
ドルは高安19銭円のレンジ
2月18日のドル/円は小幅高。アメリカのプレジデンツ・デーとカナダのファミリー・デーで薄商いのなか、アジア市場はレンジ取引となりました。15日のNYダウの大幅高を背景とした日本株や中国株の堅調な値動きを手がかりに、円売り基調に振れます。ただ、サンフランシスコ連銀総裁の利上げ不要の見解からドルは買いづらい展開が続き、戻り売りに押され110円61銭で取引を終えました。
豪準備銀の議事要旨受けた売りに警戒
2月19日は、豪準備銀定例会合(2月5日開催分)の議事要旨が注目されます。同会合の声明では中立的ながら、金融正常化路線は維持していると市場には受け止められましたが、ロウ総裁は翌日の講演で利下げの可能性に言及し、豪ドルは売り優勢となりました。議事要旨に弱気なトーンが示されれば豪ドル/円の下落がクロス円に波及し、ドル/円の下押しにつながる展開も予想されます。
一方、午後5時半にはスウェーデンの消費者物価指数もクローズアップされるでしょう。リクスバンク(中銀)は昨年12月に7年半ぶりの利上げに踏み切り、今月13日の定例会合では2019年後半の追加利上げに意欲を示しています。もちろん、データ次第なのでインフレが想定通りに伸びなければ今年ゼロの観測も広がるでしょう。欧州経済の下振れの影響も考えられるため、本日の指標は注目されそうです。
■主な注目材料(日本時間)
06:00 韓国1月輸入物価指数
09:30 豪準備銀定例会合・議事要旨
16:00 スイス1月貿易収支
17:30 スウェーデン1月消費者物価指数
17:30 ザンビア中銀定例会合/政策発表
18:00 ポーランド1月雇用成長
18:00 ユーロ圏12月経常収支
18:30 英雇用統計
19:00 独2月ZEW景況感指数
22:00 ロシア小売売上高、失業率
未定 NZ 世界乳製品取引価格指数
00:00 米2月NAHB住宅市場指数
休場:タイ、スリランカ
(日程は変更になることもあります)
クロス円の下落に警戒
本日アジア市場の早朝、ドル/円は110円50銭付近で推移。この後は日本株にらみで円売りに振れればドルは110円半ばから後半の値動きが予想されます。トランプ大統領が米中貿易交渉の行方に楽観的な見通しを示しており、円買いは弱まりそうです。ただ、ドル買い材料は依然として乏しく、18日同様に株高が進んでも簡単に111円台を回復するようなシナリオは想定しにくい状況です。
(おわり)