今日のドル円:下げ渋り/米大統領のFRB批判も、米中合意観測は継続

本日のドル/円は底堅い値動きとなりそうです。トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を批判し、ドル高けん制発言の影響を見極める展開となる見通し。一方、米中貿易交渉の合意を観測した円売りは継続し、相場を下支えすると予想します。

NY市場でドル一時112円台

3月1日のドル/円はしっかり。前日に200日移動平均線を上抜けたことで、この日も上昇基調が受け継がれます。また、午前中に発表された中国財新製造業PMIは景気判断の節目となる50を下回ったものの、予想を上回ったことでリスク選好の円売りも加わります。その後も日経平均株価や上海総合指数の強含み、さらに米10年債利回りが上昇したことでドルは111円80銭台まで浮揚しました。

欧米市場では、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米中貿易交渉で歴史的合意が近いと強調するとリスク許容の円売り再開。注目されたISM製造業景況指数とミシガン大学消費者信頼感は予想を下回る低調な内容となったものの、米10年債利回りがその後も水準を切り上げドルは一時112円07銭まで強含みます。ただ、節目の付近の売りに押され、111円94銭で取引を終えました。

トルコのCPIに警戒

3月4は、1)米中貿易交渉の合意期待を背景としたドル売りと強い円売り、2)米連邦準備制度理事会(FRB)の一部の当局者が主張する年1回の利上げを見込んだドル買い、3)ISM製造業景気指数など経済指標の下振れを嫌気したドル売り、4)2日のアメリカの株高と長期金利の上昇を受けたドル買い、5)トランプ米大統領のドル高けん制、などが判断材料となるでしょう。

一方、今週から来週にかけて、トルコの消費者物価指数(CPI)(4日)、中銀定例会合/政策発表(6日)、10-12月期国内総生産(GDP)(11日)と重要イベントが予定されています。CPIは前年比+20%台と高止まりし利上げが必要である反面、成長の大幅鈍化でむしろ利下げの観測もあるぐらいです。中銀は政策金利据え置きの公算ですが、インフレ対策か景気テコ入れかは判断しにくい状況でしょう。

主な注目材料(日本時間)

08:50 日マネタリー・ベース
09:30 韓国2月製造業PMI
09:30 豪10-12月期企業売上総利益、1月建築許可件数
09:30 台湾2月製造業PMI
13:00 マレーシア1月貿易収支
16:00 トルコ2月消費者物価指数、生産者物価指数
16:00 ルーマニア1月生産者物価指数
17:00 ハンガリー12月貿易収支
18:30 英2月建設業PMI
18:30 南ア企業マインド
19:00 ユーロ圏1月生産者物価指数
21:00 チリ小売売上高
22:00 シンガポール2月製造業PMI
00:00 米12月建設支出
休場:インド、スリランカ、モーリシャス、ブルガリア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドル、アルゼンチン
(日程は変更になることもあります)

ドルは対主要通貨で売り先行

本日アジア市場の早朝、ドル/円は111円70銭台と、前週末のNY終値を下回る水準で取引されています。トランプ大統領のドル高けん制発言を受け、ドルはユーロやポンド、豪ドルなど主要通貨に対して売り先行。その影響で、クロス円は当初円売りに振れていましたが、その後はやや円買い方向に。1日の米株高を背景とした円売りが見込まれ、ドルは下げづらい展開とみます。

トランプ大統領は2日の講演で、これまで金融正常化を進めてきたパウエルFRBに対し、ドル高を招いた張本人と批判しています。FRB批判を絡ませたドル高けん制は珍しいことではありませんが、ドル/円は前週からの上昇ペースが速いため、トランプ大統領の発言をきっかけにいったん利益確定売りが出ると予想します。反面、ドルは下げが限定的となれば買戻しも入りやすいでしょう。
(おわり)

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