本日のドル/円は下げ渋る展開となりそうです。アメリカのトランプ政権が対中制裁関税を実施する方針を示し、両国の交渉決裂への懸念で円買いに振れやすい見通し。
ただ、なお合意に対する期待感は根強く、110円台では押し目買いが見込まれます。
前日のドルは一時110円28銭
5月6日のドル/円は続落。アジア市場は東京市場で薄商いのなか、米中貿易協議の不透明感から窓を空けて寄り付き、円の一段高で一時110円28銭まで売り込まれます。中国株や人民元も大きく下げました。
その後は、中国当局の訪米準備の対応で円買いは一服。欧米市場では、ユーロ圏の小売売上高など域内の経済指標が堅調で円買いは弱まり、110円90銭まで持ち直し、110円86銭で取引を終えました。
ユーロ圏の経済指標に注目
5月7日はドルの底堅い値動きを予想します。米中貿易交渉の不透明感は払しょくされていないものの、妥結への期待は根強くリスク回避の円買いは限定的となりそうです。
一方、午後3時発表のドイツの製造業新規受注は大幅改善は見込みにくいため、どちらかといえば円買い方向に振れやすいでしょう。半面、ユーロ/ドルはドル買いが想定され、ドル/円をけん引する可能性もあります。
主な注目材料(日本時間)
07:30 豪4月AIG建設業指数
10:00 フィリピン4月消費者物価指数
10:30 豪3月貿易収支、小売売上高
13:30 豪準備銀定例会合/政策発表
15:00 独3月製造業新規受注
16:30 英4月住宅価格指数
18:30 南ア4月企業景況感
21:55 米レッドブック
23:00 カナダ4月IveyPMI
23:20 ブラジル自動車売上高
休場:カザフスタン
(日程は変更になることもあります)
令和入り後の初取引で日本株は?
本日アジア市場の早朝、ドル/円は110円70銭台で推移。トランプ政権の閣僚が交渉の見通しに悲観的な見方を示したことで円買いが先行しましたが、その後は小幅に戻しています。
この後は米株安を背景に日本株は軟調地合いとなり、円買い基調は続くでしょう。皇位継承に伴う改元の10連休中終盤になって円高が進み、ドル/円は引き続き円高を警戒した相場展開を予想します。
ただ、令和入り後の最初の取引でご祝儀相場への期待感から、日本株高に振れればドルは111円台回復が見込まれます。
一方、午後1時半の豪準備銀による政策発表は一部で利下げが予想されており、豪ドル売りが強まる可能性もあります。豪ドル/円などクロス円の下げがドル/円の戻りを抑えそうです。
(おわり)