【UAH】政変2年のウクライナで再び通貨安懸念

ウクライナで2014年2月に勃発した親欧米勢力による政変から、2月22日でちょうど2年が経過したが、同国の政治・経済はこのところ、ますます混迷の度合いが増しているようだ。ウクライナ最高会議(一院制議会)では2月16日、内閣不信任決議案が提出された。同決議案は否決されたものの、連立政権からの離脱を表明する政党もあり、ポロシェンコ大統領の政権運営は苦境に陥っている。

ウクライナ議会は昨年12月25日、2016年度予算を承認した。債務不履行(デフォルト)を回避するため国際通貨基金(IMF)に対し総額175億ドル(約2兆円)の支援を求めている。IMFはこれをすでに承認済みだが融資実行が遅れているもようだ。IMFの基準に従い財政赤字は国内総生産(GDP)比3.7%を想定。ただ、足元の政治・経済の混乱により、この水準を満たすのは困難な情勢になりつつある。同国東部では親ロシア派と政府軍の戦闘が続いており、停戦の定着に見通しが立たないことも懸念要因だ。

ウクライナは昨年2月にも経済危機に陥り、中銀はこの時、大幅利上げに踏み切った。通貨フリブナは2014年に1ドル=16フリブナ程度で推移していたが、東部情勢やウクライナの債務問題に不透明感が広がったことで、2015年3月には一時33.75フリブナまで下落した。その後フリブナ安はいったん収束したが、足元では再び値を切り下げ、28-29フリブナで推移。30フリブナまで下落した場合には、昨年の安値が意識されるだろう。

こうした通貨安が輸入品物価の高騰を招き、インフレを加速させる。中銀は昨年、大規模なドル売り・フリブナ買いの為替介入を繰り返したが、外貨準備が不十分なため外貨購入取引禁止の強硬策を打ち出した。政治と経済、どちらが先行する要因かというわけではなく、両方のネガティブな要因が作用しあう負のスパイラルとなっているようだ。政変から2年、同国の明るい将来像は見えてこない。

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