【IRR】経済制裁解除で恒常的なリアル安は是正も

 1979年にイラン・テヘランで発生した米国大使館人質事件を描いたアカデミー賞映画「アルゴ」を見たことがある。カナダの映画撮影班になりすましてイランを脱出するスリル満点のラストシーンはハリウッド特有の脚色だろうが、当時のクレーン車を使った見せしめ的な絞首刑のシーンがそのまま使われており、結構衝撃的だ。
 イランは昨年7月、欧米など6カ国と核保有問題の解決に向けた措置で最終合意した。ここでの合意に基づき、イランがウラン濃縮に使う遠心分離機を削減するなどの措置を進めた結果、今年1月16日に国際原子力機関(IAEA)はイランの義務履行を確認。武器の禁輸やミサイル関連技術の取得制限などは残るが、欧米サイドはイラン向けの制裁解除の国連安保理決議を終えた。
 この経済制裁解除は、イランにとって歴史的な転換点となろう。今後、制裁解除のなかで最も注目された原油輸出が拡大することで、1000億ドル規模にのぼる海外資産の本国への還流が見込まれる。これにより人口8000万人の国内市場の消費がテコ入れされ、経済成長に向かうと期待されている。イランは原油と天然ガスが豊富なことからドイツなど欧州各国は関係改善にすでに乗り出している。宿敵米国の同盟国でありながら親日的でもあるため、日本企業の参入も本格化するだろう。
 イラン通貨リアルは1945年以降ドルにリンクしていたが、イラン革命で反米政権の発足で米国資本が流出。恒常的にドル高・リアル安基調となっている。足元は1ドル=約30000リアルで、1年前の28000リアルから通貨安が強まった。最近テヘランを訪れた旅行者によると、実勢レートは約3万4000リアル。しかし、今後は経済成長により今後はリアル安に歯止めがかかりそうだ。

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