【JPY】GWに向け仕掛け的な円買い?

 最近の円の値動きは読みづらい。年間を通じてはドル高・円安基調とみるが、米国企業の業績悪化、米早期引き締め観測の後退、年初からの円高の影響による日本企業の業績悪化、米株安に伴う日本株安、英国の欧州連合(EU)離脱懸念などから、少なくとも4-6月は円高に振れると予測した。現状は、主要産油国の増産凍結見送りと熊本地震も加わり、「円高要因しかない」(市場筋)。
 また、安倍晋三首相が米紙インタビューで「恣意的な通貨市場への介入は慎まなければならない」と述べ、日本の通貨当局は為替介入できないと受け止められた。麻生太郎財務相など閣僚が口先介入で火消しに奔走したが、4月14-15日開催の20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)で米国側に「為替市場の動きは秩序的」と、暗に否定された。日本は為替介入できないとの見方が、まだくすぶり続けている。
 だが、G20と産油国会合をこなした4月18日の週は、ドル・円は108円付近で寄り付いた後105円に向かうかと思いきや、逆に円安方向に振れている。利益確定売りで109円台は上値が重かったが、22日には日銀の金融政策に関する金融情報メディアの報道をきっかけに翌週の日銀金融政策決定会合での追加緩和期待が高まり、ドルは110円、111円を上抜けした。
 大手証券の外為ディーラーは、予想に反した円安について「円買いポジションがなくなったためだ」と話していたが、IMM通貨先物の非商業(投機)部門の直近データでは相変わらず円ロングが多い。また、円相場の売り手がかりとなる原油価格は足元でやや持ち直しているように見えるが、産油国会合で増産凍結は見送られ、供給過剰感は是正されていない。つまり、再び原油安に転じる可能性は高い。
 こうした状況下で、日本はこれからゴールデン・ウィークに突入する。日本の通貨当局は介入してこないとの見方が海外市場で広がれば、仕掛け的な円買いが入っても不思議はないだろう。通貨の値動きは必ずしも理屈通りにはならないかもしれないが、ドル買い要因は見当たらないなか、足元の円売りは目先反転する展開を想定しておきたい。

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