【USD】ドル6月100円割れに現実味

 米財務省が半年ごとに議会に提出する「為替報告書」で日本、中国、韓国、台湾、ドイツの経常黒字5カ国を新たに設けた監視リストに盛り込んだことが4月29日、明らかになった。「為替操作国」とは認めていないが、今後この5カ国の経済情勢や為替政策を厳しく監視するという。このうち、ドル・円に関しては「秩序立っている」と指摘。4月14-15日にワシントンで開かれた20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)での米国側の主張が改めて示された。これによって、日本の通貨当局による為替介入や円安誘導といった政策カードが制限されるため、円高に振れた場合に歯止めがかからなく可能性があろう。
 また、米株安・日本株安もネガティブな材料だ。米国企業の1-3月期の決算発表が本格化するなか、4月26日に発表されたアップルの業績は現在の米国経済を象徴しているようだ。主力製品のiPhoneの販売台数が前年同期の6120万台から5120万台まで落ち込む初の減少で、同社は13年ぶりの減収決算となった。米国株は企業業績の悪化で下落が見込まれていたとはいえ、米国経済に不透明感が増しているのは事実だ。米国株の下落を受け、今後日本株も冴えない展開となりそうだ。これも大きな円高要因だ。
 ドル・円は2016年1月4日の120円半ばから足元106円半ばまで下落。年初から4月末までの4カ月間で実に約14円、13%も下落している。このペースが続くとなると、ドル・円は3カ月以内に100円を割り込む計算になる。6月は、最大の注目材料である英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が23日に実施される。また、それに先立って14-15日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、連邦準備制度理事会(FRB)は英国の国民投票の結果を見極めようと利上げを見送るかもしれない。こうした要因は円高進行のペースを速めるだろう。

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