【USD】「110円59銭後」のドル

 ドル・円は105円台から108円台まで値を戻し、4月27-28日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が6月利上げに前向きだったことから、さらに110円台を回復した。連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め期待は強まっており、目先も比較的底堅い値動きが予想されている。
 差し当たり5月20日に付けた直近高値110円59銭を目指す展開となっているが、ある外為ディーラーは「思った以上に上値が重い感触だ」と言う。確かに、ある邦銀関係者は「110円台は売りたい人が相当多い」と指摘している。109円台は個人投資家などの買い需要が多く下値は堅い一方、110円は上値が重いため、このところレンジ取引が続いている。5月23-27日の1週間は東京市場で終盤にかけて値を下げ、ロンドン市場では欧州勢が米利上げ観測を背景にドル買いを強めるというパターンだった。
 近くて遠い110円59銭。外為ディーラーと邦銀関係者は、この水準を上抜ければ「視界が開ける」と指摘する。ショートカバーが1-2回入るイメージだろう。ただ、予想通りの展開になったとしても、せいぜい111円前半ではないか。金融情報メディアが4月22日に配信したニュースによって日銀による追加金融緩和への期待感が高まったものの、同28日の金融政策決定会合での追加緩和見送りの決定を受けドル・円は急落。外為市場ではこの急落前の水準である111円88銭を1つの節目とみている。
 6月3日発表の米雇用統計は失業率(前回5.0%)、非農業部門雇用者数変化(同+16万人)などが前回を上振れれば、6月利上げに思惑は広がるだろう。ただ、来週も引き続き110円59銭がバリアとなり上値の重い展開が続くかもしれない。雇用統計発表前にドルがどの程度の水準になっているかにもよるが、上値が重ければその分上昇に向かうエネルギーが蓄積され、雇用統計の上振れで111円88銭を上抜けるというシナリオは描きにくい。6月利上げにはなお慎重な見方が強いとみられるからだ。

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