【TREND】英国民投票後は複雑な相場展開

 英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う6月23日の国民投票は、国際金融市場の歴史に残るイベントとなるだろう。結果は主要国の金融政策に直結し、今後の通貨の値動きを決定づけそうだ。
 選挙結果は現時点で予断を許すことはできないが、スコットランド独立の是非を争点とした2014年9月の住民投票では、選挙直前に独立支持の勢いが増したものの最終的には残留となった。今回の国民投票も同じような情勢と見る。残留支持のキャンペーンを展開していた英労働党下院議員の射殺事件がきっかけとなり、英国の有権者が残留に傾くシナリオを想定したい。
 この場合、ポンドが対ドル、対円で急激に上昇するだろう。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)による7月利上げが意識されるため、対ドルではポンド買い一巡後は上値が重くなりそうだ。対円ではこれまでの警戒感を背景とした円買いが巻き戻され、当面のポンド買いに安心感は広がるとみられる。
 ドル・円に関しては、ある外為ディーラーは投票結果を受けた短期的な値動きを上下5円と見込んでいる。その見方に従えば、104円で投票日を迎えたとすると上値メドは109円となろう。ただ、7月下旬に予定される日米金融政策の発表が近づくと、FRBの利上げや日銀による追加緩和はともに見送られるとの見方が次第に強まり、ドル売り・円買いに振れそうだ。逆に、英国のEU離脱なら100円割れの可能性もあろう。
 読み切れないのはユーロの値動きだ。EU残留となればネガティブな影響は回避され、本来ならユーロ買いが強まるはずだ。しかし、残留決定により短期的に米7月利上げ観測が強まることで、リスクオンのユーロ売り・ドル買いに振れるかもしれない。ユーロ・ドルの値動きはユーロ・円にも波及するが、ユーロと円はともに売り圧力が強まるため、値幅は限定的となるだろう。
 したがって、英国のEU残留決定後、米7月利上げ観測を背景にマネーは短期的にドルに向かうものの次第に行き場を失い、新興国に流入する可能性もある。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする