【USD】目先は米債にらみか

 欧州連合(EU)離脱を争点とした英国民投票から1週間あまり。結果判明直後の混乱はリーマン・ショック時を上回るほど激烈だったが、足元では過度な懸念は後退し、相場は修復に向かいつつある。市場ではポンドの値動きはなお警戒されているが、次のテーマである米金融政策に焦点が移っているようだ。
 英国民投票でEU離脱という予想外の結果を受けた6月24日は世界中の市場が大荒れとなったが、週末が冷却期間となったのか、週明け27日からは警戒しながらも市場は落ち着きを取り戻す展開となった。特に、株式市場が英国をはじめ欧米で回復基調を示し、リスク回避的な円買いが弱まった。ドル・円は101円半ばから103円半ばが中心レンジとなり、もみあいが続いた。
「株の堅調ぶりを考えればドルはもっと上がってもいいはずだ」と、ある外為ディーラーも話していたが、ドル・円は米国債利回り低下が波及していたため、日経平均株価が堅調地合いとなってもドル高・円安が進まなかったようだ。つまり、米金融政策に焦点が移り、年内の利上げゼロを織り込もうとしているのだろう。
6月3日に発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが深刻な水準に落ち込んだことが、再認識されている。この統計を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月14-15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送っている。その後、タカ派的なセントルイス連銀総裁が、向こう2年で利上げ回数は1回との見方を示す。
6月21、22日のFRB議長による議会証言では消極的な今後の引き締めに消極的な発言が聞かれたことで、米国経済は利上げできる状況ではないと感じた市場関係者も多いはずだ。FRBにとって、英国のEU離脱は利上げ見送りのいい口実になっただろう。
米国株は、FRB議長が米国経済に楽観的な見通しを示しているために持ち直しが続いている。米国株が上昇すれば、それに連動して日本株も上昇する。ドル・円の相場はこうしたサイクルで支えられてきたが、株価との相関性は薄れ米債利回りの方が大きな影響を受け始めている。7月は一時的に100円を割り込む展開を想定しておきたい。

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