【USD】FRBの狙いは株高・非ドル高

 8月26日のニューヨーク市場は、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を受け、株式市場ではナスダックはプラスだったがダウとS&Pはマイナスとまちまち、債券市場では10年債利回りが上昇後は低下に転じた。外為市場はドル・円が100円台後半に上昇した後に反落したが、100円10銭付近から急反発して101円80銭台まで値を切り上げた。小幅な上昇にとどまった金先物の値動きは、自信のなさを表しているようだ。
 FRB議長の講演は、一言で言えば「経済情勢から判断すると利上げは利上げ。時期は・・・」ということだったのだろう。つまり、市場関係者が本当に聞きたかったタイミングの部分は不明瞭だったので、市場参加者がそれぞれの都合のいいように解釈した。そんな市場の思惑が色濃く反映された。外為市場は判断に迷った挙句に「えーい、タカ派」と無理やり結論づけたように見える。連邦公開市場委員会(FOMC)内のメンバー間で慎重派と積極派がくっきり分かれるなか、FRB議長の発言としてはこう言わざるを得なかったと思われる。
 イエレン議長の発言は、やはり「早期利上げ」ではなく「年内利上げ」に含みを残したと判断すべきではないか。11月の米大統領選を考慮すると、ドル高になってトランプ共和党候補がドル高政策批判を強めて有権者に共感の余地を与えてしまうのを回避するため、ドル安にはしないまでもドル高にはしない方向性を狙っているとみる。一方、株安になれば民主党の支持が得られなくなるため、株高は維持するだろう。「ヒラリー大統領」を担ぎたいFRBにとって「株高・非ドル高」が最も望ましい路線だ。26日の取引では各市場の判断はまちまちだったが、週明け以降は思惑通りになるだろう。イエレン議長の講演は成功だったといえるだろう。

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