【EUR】2017年はユーロ・リスク?

2016年は「ブレグジット」や「トランプ・ラリー」に象徴されるように、主要国の選挙結果が相場を大きく動かす要因となりました。反与党的な投票行動は目先も続く見通しで、2017年に実施される欧州での選挙に影響を与えそうです。
今年は、台湾総統選(1月)、フィリピン大統領選(5月)、欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票(6月)、米大統領選(11月)、憲法改正の是非を問うイタリア国民投票(12月)などの選挙が行われました。英国民投票と米大統領選のように、与党的な主張は反発を受けやすい状況となっています。英国民投票では与野党双方にEU残留支持の主張が多かったので、「反与党的」とは見えにくい状況でしたが、辞任したキャメロン前首相がEU離脱を訴えていれば、逆に残留という結果になっていたかもしれません。また、米大統領選では、オバマ大統領の後継が嫌気された可能性があります。
2017年にはオランダ総選挙(3月)、フランス大統領選(4-5月)、ドイツ議会選(9月)が予定されています。このうちフランス大統領選では、オランド大統領が所属する社会党は敗色濃厚で、右派・共和党の統一候補、フィヨン元首相が反EUなどを掲げる極右政党・国民戦線のルペン党首を制して勝利する可能性が高いとみられています。2016年12月4日に行われたオーストリア大統領選の経緯を踏まえれば、欧州内では極右候補は支持を集めつつあるとはいえ、選挙で勝利するほどではないのでしょう。しかし、フィヨン氏は与党でなくても、優勢が伝えられるほどアンダードッグ効果が強まる可能性はあります。
米国では、ドル高政策に批判的なトランプ氏に有利な材料を与えないよう財務省や連邦準備制度理事会(FRB)がドル高抑制に動いていたことは見え見えでした。政府やメーンストリーム・メディアによるエスタブリッシュメント層のお膳立てを受けたからこそ、クリントン氏が勝てなかった側面もあります。フランスで同様の事態となればルペン氏が予想外に支持を集め、9月のドイツの議会選に波及することで反EUが勢いづくのではないでしょうか。そうなるとEUの存在意義が問われ、ユーロ消滅のシナリオを想定したくなります。が、ユーロは実にしぶとい値動きをするので、意外に「パリティ」(1ユーロ=1ドル)割れは回避できるような気もします。

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