【USD】6月8日は「修正」記念日

昨年注目を集めた欧州連合(EU)離脱の是非を問うイギリス国民投票、アメリカ大統領選は、いずれも大方の予想を覆す結果となり、金融市場を混乱させました。今年の6月8日、奇しくも同じ日にそれぞれ修正のきっかけとなるイベントが予定されています。

前FBI長官の議会証言を注視、米現職大統領に弾劾リスク

8日10時(日本時間は同日23時)にアメリカ連邦捜査局(FBI)のコミー前長官が上院情報委員会で証言する予定です。FBIがロシアによる大統領選への介入やトランプ陣営との関係について捜査を進めるなか、コミー氏は5月9日、突然解任されました。このため、トランプ米大統領とロシア側の関係をめぐり余計に疑惑が深まっています。仮に、コミー氏の議会証言によって、同大統領の「司法妨害」の事実が明らかになれば、弾劾・罷免が現実味を帯びてくるため、政治の混乱を警戒したドル売りが短期的に強まりそうです。
ヒラリー・クリントン氏勝利の予想に反して選出されたトランプ大統領は。就任当初から支持率が低迷し、足元では40%を割り込みました。「アメリカ第1主義」の下、最近では「公約」通りパリ協定を離脱し、トランプ氏には主要国からも批判が高まっています。このままではアメリカの世界的な地位の失墜を招きかねません。そうであるなら、逆にトランプ氏辞任の可能性が高まることで、長期的なドル買いが予想されます。

英総選挙で労働党躍進か、「ソフト・ブレグジット」に現実味

イギリスの総選挙は、投票時間が6月8日7時-22時(日本時間同日15時-翌9日6時)で、結果は9日未明に判明する見通しです。メイ首相が4月18日に電撃解散・総選挙の意向を表明した時点では、与党・保守党の支持率は最大野党・労働党に対し20ポイント以上も上回っていました。しかし、選挙戦に入り保守党の社会保障制度が批判を招くなどの戦略ミスに乗じ、労働党が選挙戦終盤の現在も激しく追い上げており、予断を許さない状況です。
保守党が第1党を維持しながらも過半数を割り込んだ場合、政治的混乱で短期的にポンド売りが強まるでしょう。しかし、もともとEU残留を望んでいた自由民主党との連立政権なら「ハード・ブレグジット」がやや弱まるため、ポンドは買戻しが予想されます。また、仮に労働党が政権を奪還すれば、「ソフト・ブレグジット」路線が期待されるため、結果に関係なくポンドは長期的に買いが強まると予想します。

ECBの緩和解除に思惑、ユーロは「漁夫の利」

コミー氏の議会証言と英総選挙の結果判明に先立ち、欧州中銀(ECB)は理事会を開き、20時45分に現行の金融政策維持を決定する見通しです。その際、ユーロ圏経済の目先の見通しを上方修正すると同時に、超低金利政策の見直しについて議論するとみられます。足元で発表されたユーロ圏の経済指標から回復基調が顕著です。金利の早期正常化に期待が高まればユーロの買戻しにつながるため、この日はドルやポンドを尻目に最強通貨となるでしょう。

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