【TREND】世界は金利正常化の流れか

6月は主要国から新興国まで、各国中銀の政策決定が集中していますが、世界的に金利の正常化に動き始めた印象を受けます。その流れを作り出したのがアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)とイングランド銀行(BOE)ではないでしょうか。

アメリカは超タカ派、イギリスが追随

FRBが13-14日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り利上げに踏み切ると同時にバランスシート縮小に着手する考えを表明。さらに2017年はもちろん、18年、19年の年3回の利上げペースを堅持するとの強気な方針を発表しました。9月もしくは12月の利上げは微妙との見方を示していた市場関係者は、相当にタカ派と受け止めたようです。実際「こんなにタカ派で大丈夫か」(市場筋)といった声も聞かれました。
そのFRBの強気なスタンスを援護したのがBOEです。金融政策委員会(MPC)は前回5月10-11日の会合では先行きのインフレ見通しが引き下げられたため、イギリスの早期利上げ期待はいったん後退しました。しかし、今回の6月14-15日の会合では市場の予想に反し、引き締めを主張した委員が1人から3人に増え、利上げへの思惑が再燃。カナダやオーストラリアで追加利下げ観測が後退したことも想起させ、金利正常化の方向性を印象付けました。

ヨーロッパやスイスも、注目はニュージーランド

一方、欧州中銀(ECB)は金融緩和方針を維持していますが、ユーロ圏経済の回復を背景に緩和解除への思惑が広がっています。目先も経済指標の上振れなどを受け、引き締め方向に動くことが予想されます。スイス国立銀も同様に、消費者物価指数(CPI)の上昇トレンドなどを手がかりに通貨安政策を改める可能性が出てきました。こうした流れを受け、過去最低水準の政策金利が長期化するとみられるニュージーランドの動向も見逃せません。

意外なトルコの引き締め、日本は蚊帳の外

金利正常化の波は、新興国でもみられます。政治情勢の混乱で格下げされた南アフリカでは、資金流出を回避するため2017年末までの利上げが見込まれます。また、トルコ中銀は15日の会合で主要金利を据え置きましたが、引き締め方針を堅持。強権を振るうエルドアン大統領の下、利下げ圧力は今後も続く見通しですが、2ケタ台のインフレへの対応から中銀はなお利上げ方針を維持するとの観測が広がっています。
ところが、日本は流れに乗り遅れています。15-16日に行われた金融政策決定会合では、異次元緩和を堅持する方針が示されました。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「現時点で出口での収益資産を公表するのはかえって混乱を招く」と述べ、「出口」の議論を封印。今後も円安基調は続くでしょう。影響力の大小を問わず、目先発表されるアメリカの経済指標が上振れ、FRBの強気な見方を裏付けることができれば、ドル買い・円売りの方向性は維持されると予想します。
 

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