【USD】トランプ政権は窮地脱したか

アメリカのトランプ政権の支持率が低迷するなか、4月から6月までの間に行われた補欠選挙では全4選挙区でいずれも共和党候補が勝利しました。昨年11月に行われたアメリカ大統領選でのトランプ陣営とロシアの関係に疑惑が残されるものの、政権は窮地を脱したのでしょうか。

共和党は4戦全勝、追う民主党を振り切る

補選はカンザス(4月11日)、モンタナ(5月25日)、ジョージア、サウスカロライナ(6月20日)の4州で行われました。前回投票との比較では、民主党が共和党候補を追い上げましたが、最終的には共和党がもともと共和党の牙城を守り切りました。民主党はトランプ大統領のロシア疑惑が深まった機に乗じて議席を奪い、来年の中間選挙に向け弾みをつけたい考えでした。
トランプ大統領が5月9日に、ロシアによる大統領選関与を捜査していた連邦捜査局(FBI)のコミー前長官を突然解任したことで、大統領の司法妨害の疑いが強まったとして現職大統領の弾劾・罷免に発展する可能性を大手メディアは大々的に報じました。

「ロシアゲート」追及、メディアはトーンダウンか

特に注目されたのは6月20日の補欠選挙です。トランプ大統領就任から5カ月が経過し、オバマ政策をひっくり返すことしか念頭にないような政権運営に、国内のインテリ層からは不満が高まっています。ジョージア州は共和党の地盤とはいえ、補選が行われた選挙区は住民の約6割が大卒という地域のため、民主党陣営はトランプ政権への批判票を取り込めると期待していましたが、結果は敗北。同日のサウスカロライナの補選も同じく敗北でした。
トランプ大統領の就任前から、アメリカの有力メディアはトランプ陣営とロシアの関係をこれでもかとばかり取り上げてきましたが、このところ雲行きが怪しくなってきたようです。テレビ出演した有力メディアのコラムニストから「(トランプ大統領への追及は)行き過ぎだったかもしれない」などとの発言も聞かれ、今後はメディアのトーンダウンが予想されます。

「次」はオバマケア廃止の上院可決、政権の綱渡りは続く

「ロシアゲート」問題でメディアの追及が再燃する可能性はあるものの、いったんは収束する方向とみられます。といっても、トランプ政権のリスク要因が完全に払しょくされたわけではありません。次の難関は下院で可決された医療保険制度改革(オバマケア)廃止法案の上院採決です。
アメリカ議会の上下両院の構成をみると、下院が435議席(欠員2)のうち共和党240、民主党193であるのに対し、上院は100議席のうち共和党54、民主党44、無所属2と、上院での採決はより慎重さが求められます。共和党の3議員以上が反対票を投じれば過半数の51に満たないため法案は否決されますが、すでに共和党内の複数の議員はこの法案に賛成しない方向と伝えられています。
否決された場合、減税などのトランプ政策への期待も後退し、ドル売りは必至とみられます。トランプ政権の綱渡りはなお続きそうです。

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