【USD】米12月利上げになお可能性

アメリカの8月雇用統計は予想を下振れ、連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げ観測がやや後退したようです。ただ、内容をよくみると、年内利上げの可能性は、現時点ではまだ残されているといえるでしょう。

8月の非農業雇用者数は予想下振れの傾向

9月1日に発表された8月雇用統計は、失業率が4.4%(予想4.3%)、非農業部門雇用者数は前月比+15.6万人(同18.0万人)、平均時給が前月比+0.1%(同+0.2%)と、「0勝3敗」でした。予想値はいずれも前回を下回る内容でしたが、それらをさらに下回りました。非農業部門雇用者数の7月分の下方修正も、雇用情勢の悪化を印象づけました。ただ、それほど悪い内容でもない、とみています。
失業率は春以降、4.3%と4.4%が交互に繰り返され、平均時給も今年はプラス圏を維持。目立ちやすい非農業部門雇用者数は比較的ブレやすく、+10万人に達しない月もあれば、+20万人超となる月もあります。過去のデータをみると、8月の非農業部門雇用者数はここ数年、予想を下回る傾向があります。2014年は+22万人超の予想に対し、+14.2万人にとどまっています。

U6失業率は横ばいでも9-11月に期待

雇用統計の詳細をみると、FRB議長が注目する雇用関連指標「イエレン・ダッシュボード」の1つであるU6失業率は、前月から横ばいの8.6%となりました。U6失業率は、正規雇用を希望しながら採用されずに非正規雇用にとどまっている人などを失業者に含めた広義の失業率です。これまでのFRBの利上げは、このU6失業率が低下しているタイミングで実施されています。
振り返ってみると、U6失業率は今年3月に2008年以来、9年ぶりに9%を割り込み、5月にはここ数年で最低となる8.4%まで低下しました。6-8月は3カ月連続で8.6%を記録しており、上昇か低下かトレンドは見極めにくい状況です。9月以降に低下傾向が示されれば、12月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定に間に合います。まだわかりません。

FRBの9月資産縮小でドルは底堅い値動きか

FRBが9月19-20日に開催するFOMCで、政策金利の据え置きとバランスシート縮小の着手が織り込まれています。引き続きトランプ政策の不透明感や北朝鮮リスクで積極的なドル買い・円売りは手控えられる見通しですが、アメリカの金融政策がサポート要因となる可能性はあるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする