【JPY】「前原民進」はそれでも増税か

民進党の新代表に前原誠司元外相が就任し、新体制で党の立て直しに取り組むことになりました。ただ、自身が代表戦で主張した政策は、2018年12月までに実施される次期総選挙で、手足を縛ってしまう可能性があります。

2006年以来の代表再登板

前原氏は2005年9月、当時の民主党の代表選で菅直人氏(後の首相)を制して代表に就任し、盤石の小泉純一郎政権に対峙する43歳の最大野党の党首として注目を浴びました。1990年代終盤のイギリスで20年間近く続いた保守党政権を退陣に追い込んだ労働党のブレア党首を彷彿とさせ、永田町に新風を吹かせたことはそれほど遠い過去でもありません。しかし、「永田メール問題」で責任を取り、手腕を発揮できないまま、2006年4月に代表を辞任しました。それ以来の再登板となります。
民進党は2012年12月の総選挙で政権を奪われ、その後も低迷が続きました。特に蓮舫前代表時代に大きく支持を失い、今年7月の東京都議会選では新興勢力にも大きく水を空けられ惨敗。前原氏は2018年12月までに行われる次期総選挙に向け、党勢回復の役割が求められています。今回の民進党代表選では枝野幸男元官房長官との一騎打ちとなり、選挙期間中は独自の政策を主張しました。なかでも、2019年10月に再引き上げが予定される消費税に関する考え方に明確な違いがみられました。

次期総選挙は消費税が争点の可能性

枝野氏は2年後の10%への税率引き上げについて、景気の腰折れにつながりかねないとして「到底できる現状にない」と明確に否定したのに対し、前原氏はやや前向きな姿勢を示しています。ただ、次期総選挙は消費税引き上げの最終判断の時期と重なり、10%への引き上げが争点となる可能性が高いとみられます。財政再建は政策としては正当化されるものの、安倍政権、さらにいえば野田政権との違いを鮮明にできず、前原民進党は思惑通りに支持を広げられない可能性があります。

政策より政局を

仮に、日本が消費税引き上げを再度見送った場合、格下げは避けられないでしょう。その際、国内金融機関が保有する円債の値下がりや、日本企業や金融機関の外貨の資金調達コストの上昇などに影響し、それによる金融市場の混乱が見込まれます。だからといって、自党の政策の正しさを主張しても、党として支持を得られなければ政策を実現できません。与党が予定通り税率引き上げなら、民進党は税率を据え置き、歳出削減で資金を捻出する政策に切り替えるぐらいでないと党勢回復は厳しいのではないでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする