【NZD】連立協議入りで売り先行も

9月23日に行われたニュージーランド総選挙は、第1党となった国民党が過半数議席を獲得できず、他党との連立協議に入りました。協議の結果次第では大躍進の労働党を軸とした政権が発足する可能性もあり、週明け以降は各党の動きが注目されそうです。

与党はほぼ選挙前勢力を維持

総選挙の結果は、定数120議席のうち、国民党58(改選前議席59)、労働党45(同32)、緑の党7(同14)、ニュージーランド・ファースト9(同12)、他1となりました。選挙前の世論調査では、中道左派の労働党がイングリッシュ首相率いる国民党に肉薄したものの、国民党は1議席減とほぼ横ばい。労働党は8月にジャシンダ・アーダーン党首に交代後、急速に支持を広げ国民党を追い上げましたが、及びませんでした。
ただ、国民党は単独過半数に達しなかったため、かつて連立を組んだ実績もあるNZファーストとの連立協議に入りました。一方、労働党は同じ左派系の緑の党と連携する意向で、それにNZファーストを加えれば政権与党となる可能性もあります。キャスティング・ボートを握るNZファーストのウィンストン・ピータース党首はまだ判断しかねているもようで、週明け以降の協議の行方が注目されます。

NZファーストの判断次第で政権交代

NZファーストは、国民党に所属していたピータース氏が1993年に独立する形で旗揚げした、移民の制限を主張するいわゆるポピュリスト政党です。アメリカのトランプ大統領が主張する「アメリカ・ファースト」の走りのような立ち位置とみられます。今回は議席を12から9に減らしたものの、それなりの存在感を示しています。これまで、国民党、労働党のどちらとも連立を組んだ経緯があります。
政策面でいえば、方向性の違いから労働党などとの連立は厳しいでしょう。といっても、国民党は今回の選挙で1議席を減らしただけで、選挙前勢力をほぼ維持しており、NZファーストは連立に参加しても、影響力の行使は限定的とみられます。仮に、自分がNZファーストの党首だったら、労働党を中心とした連立政権に参加した方が自党の発言力が担保されるため、影響力を考えれば労働党との連携の道を探ると思います。

TPP修正論議読み切れずNZドル売りか

ただし、国民党、労働党のどちらを軸とした連立政権となっても、環太平洋連携協定(TPP)の修正に迫られる見通しです。イングリッシュ政権はTPPを主導し、乳製品の輸出拡大を進める意向でしたが、NZファーストとの連立政権となればある程度の妥協を余儀なくされ、経済への悪影響も見込まれます。28日開催のNZ準備銀定例会合で景気見通しが下方修正されればNZドル売り優勢の展開も想定されます。

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