【CZK】政権交代で通貨高一服の可能性

10月20-21日投開票のチェコ下院選(定数200)で、連立与党内での権力の構図が変化する可能性が高まっています。国内経済の高成長を背景に通貨コルナは上昇基調が続くなか、選挙結果を受けた連立の組み方次第では今後の値動きに影響が出るかもしれません。

高成長持続、当局はコルナ高を容認

10月3日発表のチェコ4-6月期国内総生産(GDP)は前年比+4.7%、前期比+2.3%と安定した成長が続く見通しで、想定通りなら2015年1-3月期以来の水準を回復することになります。消費者物価指数(CPI)は昨年末から前年比+2%以上の上昇を維持しており、今月9日の9月CPIは+2.5%と予想されています。チェコ国立銀行(中銀)は、8月3日に開催した定例会合で、2012年11月以来、4年9カ月ぶりに政策金利を引き上げ、0.25%としました。
チェコ中銀は今年4月、デフレを回避するためスイス中銀にならって2013年に導入したコルナの対ユーロでの相場上昇を制限する政策を廃止することを決めました。それにより、1ユーロ=27コルナ付近から半年で26コルナ付近まで緩やかに上昇。対ドルでは25.50コルナから21.50コルナまで値を切り上げています。中銀による事実上のコルナ高容認と受け止められており、コルナ買いに安心感もみられます。

与党勢力図に変化、安定性には疑問

ただ、安定的な成長を維持するチェコ経済にとっては、政治情勢が不安要因となりそうです。現在はソボトカ首相の率いる社会民主党(CSSD)が現有50議席で第1党となり、47議席の中道右派政党ANO2011などと連立を組んでいます。CSSDは支持率低迷に悩まされており、4年ぶりとなる今回の選挙では、今年5月に財務相・第1副首相を解任されたバビシュ氏が党首を務める第2党のANO2011の躍進が見込まれています。

複数政党による連立か、政策に影響も

バビシュ氏は、財務相在任中、自身が運営する企業の起債に関連したことなどを理由に解任されました。その後、側近を後任に指名したものの、ソボトカ首相はそれも却下するなど、次期政権をにらんだ権力争いに発展。バビシュ氏は、チェコ有数の実業家としても知られており、財務相を退任した後、規制緩和など主にビジネスに軸足を置いた自身の政策をまとめた本を出版するなど、次期首相に意欲を示しているもようです。
バビシュ氏の政策は、ユーロ導入論議に関しては懐疑的、移民受け入れには否定的と、政策面でCSSDとは大きな違いはみられず、コルナの値動きへの影響は小幅にとどまるでしょう。ただし、比例代表による直接選挙のもとでどの政党も過半数に届かない見通し。政策の異なる市民民主党(ODS)など複数の政党がひしめき合うなか、上位2党の入れ替えだけにとどまらず、連立の組み方次第では不透明感によりコルナ買いの後退も見込まれます。

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