【USD】U6失業率は10年超ぶり低水準

10月6日に発表されたアメリカの9月雇用統計はハリケーンの影響が加味され、ちょっとした波乱がみられました。ただ、失業率の低下など、市場では雇用情勢の改善を好感したドル買いが強まる場面もありました。

アメリカの経済指標は上振れ継続

9月雇用統計は、失業率が4.2%(予想4.4%、前回4.4%)、非農業部門雇用者数は前月比-3.3万人(予想+8.0万人、前回+15.6万人→+16.9万人)、平均時給は前月比+0.5%(予想+0.3%、前回+0.1%→+0.2%)。非農業部門雇用者数は8月に発生したハリケーン「ハービー」「イルマ」の影響が考慮されていたとはいえ、+8.0万人の予想に対し-3.3万人にとどまりました。マイナスとなったのは2010年9月以来のことです。
ただ、非農業部門雇用者数は8月が+15.6万人から+16.9万人に上方修正されたほか、平均時給は前月比+0.3%の予想に対し+0.5%となり、前回の修正後の+0.2%から顕著な伸びが示されました。さらに失業率に関しては4.2%に低下。これは2001年1月以来、実に16年超ぶりの低水準です。雇用者数は特殊事情のため参考程度ですが、賃金や失業率は堅調な内容で、雇用情勢の改善を裏付ける内容といえるでしょう。

FEB金利正常化への市場期待を補強

特筆すべきは、U6失業率が8.3%と、2007年6月以来10年超ぶりの低水準に改善したことです。この統計は、16歳以上で正社員に採用されずパートタイム就業をする人、現在は求職活動していないながらも労働の意思も持つ人など、広義の失業率を指します。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が注目する雇用関連指標「イエレン・ダッシュボード」の1つで、6-8月は8.6%と横ばい推移が続いていました。
これまでを振り返ってみると、FRBの利上げはこのU6失業率が低下している過程で決定されています。U6失業率が10月、11月とさらに低下すれば、FRBによる12月の追加引き締め期待が高まるでしょう。労働参加率も5月の62.7%をボトムに上昇傾向が続き、9月は63.1%となりました。これはいったん労働市場から撤退した人が戻りつつあることを示しており、やはり雇用情勢の改善を裏付けています。

ドル買い基調継続も北朝鮮問題を警戒

しかし、北朝鮮問題がドルの上昇を抑えそうです。国際社会におけるアメリカの弱体化を望むロシアの情報なので鵜呑みにはできないものの、北朝鮮は近くアメリカ西海岸まで到達できるという長距離弾道ミサイルの発射を計画。それに先立ち、トランプ大統領は軍幹部との会食について「嵐の前の静けさ」と話しており、米朝の緊張が再び高まればリスク回避の円買いは避けられないでしょう。

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