【USD】強気になれない米雇用統計

11月3日のNY市場は、同日発表されたアメリカ10月雇用統計の弱材料に反応しドルはやや売られる展開となりました。連邦準備制度理事会(FRB)の12月利上げがほぼ確実視されるなか、注視するべき点もいくつかあります。

失業率はITバブル期以来の水準に

10月雇用統計は失業率4.1%(予想4.2%、前回4.2%)、非農業部門雇用者数は前月比+26.1万人(予想+31.2万人、前回-3.3万人/修正後+1.8万人)、平均時給は前月比0.0%(予想+0.2%、前回+0.5%)となりました。非農業部門雇用者数はハリケーンの影響がまだ残り正確な状況はまだ把握できませんが、失業率の4.1%は2000年9月の3.9%に迫る低水準です。つまり、ITバブル時代の雇用情勢となっていることを示しました。
11月3日のNY市場では、雇用統計発表後にドル・円はやや値を下げています。これは非農業部門雇用者数と平均賃金の予想下振れを嫌気したと思われます。特に、平均時給は2016年11月の-0.1%を最後にプラスで推移してきましたが、今回は0.0%と伸びは鈍化。前日の2日に発表された7-9月期非農業部門生産性は前期比+3.0%(予想+2.4%、前期+1.5%)と堅調だっただけに、11月の平均時給が注目されます。

環境改善が求職者の行動に影響

一方、現在は求職活動していないながらも労働の意思も持つ人など、広義の失業率を意味するU6失業率は7.9%と、2006年12月以来の水準に低下。この10年あまりの間では最低水準となりました。ただ、いったん労働市場から撤退した人が労働市場への復帰を示す労働参加率は、5月以降は上昇傾向が続いていたものの、10月は低下しています。この点も次回11月の点検のポイントとなりそうです。

2018年の利上げはマックス3回か

ところで、トランプ大統領は2日、イエレン議長の後任に穏健派とされるパウエル理事を充てる人事を発表しました。パウエル氏は、どこか気弱なその容貌から映画「男はつらいよ」のおいちゃん役で親しまれた俳優の下條正巳さん(故人)を彷彿とさせます。本当のキャラクターはわかりませんが、オラオラと引き締めるようには見えません。
ムニューシン財務長官は立場上強いドルを主張するものの、トランプ大統領はもともと国内産業のテコ入れを目指した低金利志向の政策であり、タカ派寄りの候補は考えられませんでした。このため、FRBの2018年の利上げ回数は現時点で3回とみられていますが、マックスで3回とみた方がいいかもしれません。

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