【ZWL】ジンバブエドル復活か

ジンバブエで37年間続いたムガベ政権がついに幕を閉じ、ムナンガグワ前副大統領が大統領に就任しました。新政権は、破たん状態にある同国経済の再生を最優先させる方針ですが、通貨政策をどのように立て直すかが注目されます。

ムガベ政権の繁栄そして衰退

ジンバブエは、第2次世界大戦後はイギリスの植民地時代が続いていましたが、1960年代になると独立の機運が高まり、1980年に総選挙を受け共和国として独立しました。1987年の議院内閣制から大統領制への移行により、独立に導いた英雄として絶大な人気を得ていたムガベ氏はバナナ政権下で首相を務めた後、大統領に就任。白人との和解を進めながら国家の再建に取り組みます。
隣国の南アフリカで、同様に独立の立役者となったマンデラ元大統領とは盟友でした。アフリカでも識字率が高いのは、彼の功績といえるでしょう。しかし、90年代になると綻びが目立ち始めます。財政赤字が拡大し、インフレは高進。2000年8月には、白人から農場を強制的に取り上げる政策を進めたため欧米から独裁者として厳しい非難を受け、ジンバブエ経済の悪化に追い打ちをかけました。

消えた通貨ジンバブエドル

当時流通していた通貨ジンバブエドルは、経済の低迷とともに価値を失い始めます。財政赤字を軽減するため紙幣を乱造し、記録的な、というより歴史的なハイパーインフレに陥り、中銀は2015年6月に自国通貨を廃止。ドルや南アフリカランド、日本円、そして中国の人民元が流通するようになったことが話題を呼びました。こうして、ジンバブエは公式上、自国通貨を持たない世界でも珍しい国になったのです。
ここ数年はハイパーインフレが一服したとはいえ、実際にはドルと同価値とされる代用通貨「ボンドノート」が使われるなど、先行きへの不透明感は増していました。ベネズエラ同様にジンバブエではビットコイン需要が高まり、値上がりが続いていることが不安を証明しています。一方で、国家としてのアイデンティティを維持するのに自国通貨は必要とみられ、今後ジンバブエドルが復活する可能性もあるでしょう。

独裁政権終えんで欧米の支援も

ムナンガグワ大統領は11月24日に行われた就任式で、経済再生に取り組む考えを示しています。悪名高い独裁政権の終えんに欧米諸国は好意的のようで、制裁解除のほか支援措置が想定されます。国際通貨基金(IMF)によると、ジンバブエの経済成長率は2012年の16.33%をピークに鈍化し、2016年は0.65%にとどまりました。ただ、豊富な鉱物資源を生かした輸出入のテコ入れが見込まれています。
また、長年にわたり友好関係にある中国はどのように支援をするかも注目されます。グレート・ジンバブエ遺跡で中国製の磁器が発掘され、11-13世紀ごろには中国との交流があったとされています。その縁で、中国はジンバブエ独立後、敵対する欧米諸国を尻目に援助を展開。中国はジンバブエに対する4000万ドル(約48億円)の債権を放棄した経緯もあります。そう考えれば、新政権への支援網はかなり恵まれているのではないでしょうか。

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