【JPY】2018年は「安定」が命取り

2017年は残り1カ月を切り、市場関係者の関心は来年に向かいつつあります。現時点では、日本発の非常に大きな政治リスクは見当たらず、安定した1年が予想されます。が、そのこと自体がむしろリスクとなる可能性はあります。

自民党総裁選で安倍首相続投へ

来年秋ごろとみられていた衆院選が今年10月に前倒し実施され、政治面で注目材料になりうるのは9月の自民党総裁選ぐらいです。総裁任期は今年3月、2期6年から3期9年に延長され、安倍晋三首相(党総裁)が3選を果たせば、任期は2021年までとなります。国内メディアの世論調査によると、安倍首相の3選を望まない人が半数以上にのぼっていますが、だからといって総裁選不出馬など考えられません。
先の衆院選を経ても与党は3分の2以上の議席を維持しており、不人気な政策でも実現は可能な情勢です。安倍政権への批判にはそれぞれ合理性はあるものの、有権者から信任を得たことにほかなりません。総裁選で安倍首相が国政選挙5連勝の実績を引っ提げて立候補すれば、自民党の党員や国会議員は他に候補者がいても選ぼうとは思えないため、3選の可能性は濃厚です。

日銀総裁交代も緩和政策は変わらず

自民党総裁選に先立ち、日銀正副総裁人事が注目されます。岩田規久男、中曽宏両副総裁は3月19日、黒田東彦総裁は4月8日にそれぞれ任期を迎えますが、後任は2月ごろに内定し、衆参両院の同意を得て3月上旬には任命されます。黒田総裁は就任以来の目標である物価上昇2%の目標を達成できていないので、再任は難しいと思われます。もっとも、黒田氏本人も再任は望んでいないかもしれません。
ただ、足元で名前の挙がっている次期日銀総裁の候補者とみられる人物も金融緩和に積極的です。日銀人事は国会の同意を必要とするものの、最終的には内閣が任命するため安倍政権の意向が強く反映されます。つまり、後任人事は緩和に積極的な人以外は考えられません。安定政権の持続を大前提とした政治情勢のもと、現在の日銀のような緩和的な金融政策は引き継がれ、株安・円安基調は継続が見込まれます。

海外要因で安定的な円に資金流入か

しかし、日本の政治情勢に安定性が増すと、日本以外でリスクが生じた場合には円がより逃避マネーを引き付けてしまう可能性があります。海外に目を向けると、中東のサウジアラビアとイランによる覇権争い、ヨーロッパにおけるロシアの軍事活動の拡大、東アジアの北朝鮮による核・ミサイル開発など地政学リスクが意識されています。2018年は「警戒の円買い」による急激な値動きに注意が必要でしょう。

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