【RUB】プーチン独走態勢

ロシアのプーチン大統領が来年の大統領選に出馬を表明したものの、他に有力な候補者は現れず早くも再選ムードが広がっています。中東外交をはじめ国際政治でもさらに影響力を強めており、世界最強の権力者になりつつあります。

支持率は実に80%、すでに当確か

地元メディアなどによると、プーチン氏の直近の支持率は実に80%台にのぼっているもようで、政権運営は揺るぎないようです。12月に入りシリア内のロシア空軍基地を電撃訪問し、駐留部隊の大部分を撤退させる考えを表明。「イスラム国」掃討の成功をアピールしたことで、さらに支持を広げたかもしれません。ドーピング問題では、平昌五輪の不出場処分が逆に国内の結束力を強め、これもプーチン氏のプラス材料になりました。
前回2012年の選挙は、「アラブの春」の影響でプーチン氏は不利との見方もありましたが、今回は不安材料がほとんど見当たりません。唯一の対抗馬とみられていた進歩党党首で弁護士のナワルニー氏は非合法デモを組織したとして出馬が認められない方向です。他の候補者はむしろプーチン氏の「引き立て役」のような役割といえるでしょう。逆に、有権者にとっては面白みに欠け、前回の投票率48%をどれほど下回るかが関心の1つです。

エルサレム問題で、アメリカは信用失墜

プーチン氏が再選されれば2024年までの任期となり、2000-08年の在任期間を合わせると20年に及びます。これにより1964-82年のブレジネフを追い抜き、1924-53年のスターリンに迫る長期政権になります。次の在任中に法改正して任期を延長すれば、終身大統領となる可能性さえあります。このように、ロシア国内では向かうところ敵なしの状態で、良く言えば政治が安定していることになります。
外交でも、トランプ大統領が中東の微妙な安定状態をぶち壊し、アメリカがこれまで築き上げてきた国際社会からの信頼を一気に失墜させています。エルサレムのイスラエル首都認定はその最たるものです。アメリカとは友好関係にあるサウジアラビアやヨルダン、エジプトなども今後は距離を置く可能性があります。ロシアは安全保障問題でさっそくエジプトに接近するなど、中東における影響力をアメリカから奪いつつあります。

原油価格は安定、注目されるルーブル

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国は11月30日、2018年末まで協調減産を延長することで合意しました。それに先立ち、OPEC加盟国のサウジと非加盟国のロシアは首脳どうしが価格の下支えについて協議し、原油安という懸念材料も取り除いています。足元はロシアの2017年予算の想定価格である1バレル=50ドルを上回っており、ロシア経済の安定で2014年以降乱高下が続いた通貨ルーブルも、現在値動きは安定しています。
しかし、プーチン氏が突然失脚したらどうなるでしょう。権力の追求によって現在の安定が維持されているのだとすれば、その反動も計り知れません。プーチン独走は、ロシアのリスクに他ならないでしょう。

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