【USD】米3月利上げ期待は一服

2018年1月5日に発表されたアメリカの12月雇用統計は、市場予想の下振れが目立ちました。来週のインフレ指数も注目されますが、足元の雇用情勢を考えると、連邦準備制度理事会(FRB)による3月利上げへの期待は一服しそうです。

雇用者数は減少、前月平均時給は下方修正

12月雇用統計は失業率4.1%(予想4.1%、前回4.1%)、非農業部門雇用者数は前月比+14.8万人(予想+19.0万人、前回+22.8万人/修正後+25.2万人)、平均時給は前月比+0.3%(予想+0.3%、前回+0.2%/修正後+0.1%)となりました。非農業部門雇用者数は前月分が上方修正されたものの、12月は節目の+15万人を下回り、平均時給は予想と一致した一方で前月分は下方修正されました。
来週は11日に12月生産者物価指数(PPI)、翌12日に同消費者物価指数(CPI)とインフレ指標が相次いで発表されます。いずれも前回とほぼ同水準となる見通しですが、低調となればFRBの利上げ期待は低下し、ドル売りに振れるかもしれません。連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(昨年12月12-13日開催分)では、足元の物価の停滞は「一時的」とした反面、利上げ年3回のシナリオに弱気な見解も明らかになっています。

U6失業率は小幅上昇、労働参加率は足踏み

注目したいのは、「イエレン・ダッシュボード」の1つ、広義の失業率を示すU6失業率が10月に7.9%に低下した後、11月と12月は連続して上昇しており、労働市場全体の改善ペースが鈍ったことです。このU6失業率の低下が続くタイミングで引き締めが実施された過去を踏まえると、今年3月は微妙です。また、労働市場への復帰を示す労働参加率は3カ月連続で横ばいとなり、雇用情勢は改善しているとは判断しにくい内容となりました。

1月下旬はイベント集中、米経済に暗雲も

12月雇用統計発表後、NY外為市場では評価が分かれドル・円は売り買い交錯で方向感はつかみづらい展開となったようです。FOMCの日程をみると、次回1月30-31日は12月の利上げ直後でもあり、政策金利は据え置きの公算。その後の3月20-21日が次の引き締めのタイミングと市場ではみられています。それまで2カ月以上も時間があり、いずれ好材料が出てくるとの市場の思惑から、ドル売りは手控えられたのでしょう。
目先はトランプ政権のインフラ整備に関する政策の取りまとめと今月末のFOMCが焦点となりそうです。トランプ大統領は1月30日の一般教書演説前にインフラ関連政策を打ち出す予定で、それを喧伝するでしょう。ホワイトハウスの内幕を描いた暴露本がアメリカのベストセラーとなるなか、内容が薄いと判断されれば関連セクターの株は売られ、米長期金利は低下、ドルも弱含む展開になっても不自然ではありません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする