【USD】「堅調」な雇用統計で3月利上げ?

2月2日に発表されたアメリカの1月雇用統計のうち、目立つ指標が市場コンセンサスを上回ったことで、市場には「堅調」と受け止められました。ただ、そのわりにドル・円の買いは長続きせず、週明け以降は再び節目の110円を割り込む展開が想定されます。

非農業部門雇用者数は増加も、U6失業率は上昇

1月雇用統計は失業率4.1%(予想4.1%、前回4.1%)、非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人(予想+18.4万人、前回+14.8万人/修正後+16.0万人)、平均時給は前月比+0.3%(予想+0.3%、前回+0.3%/修正後+0.4%)となりました。非農業部門雇用者数は上振れ予想を上回り、前月分も上方修正されました。また、平均時給は予想と一致する一方、前月分は上方修正されました。
非農業部門雇用者数の「予想上振れ・前月上方修正」のセットは昨年7月以来と6カ月ぶりで、雇用情勢の改善が印象づけられました。ただ、広義の失業率を示すU6失業者は8.2%と、昨年11月から3カ月連続で悪化。いったん求職活動をやめた人が再び行動し始める行動者率は62.8%で昨年10月から4カ月連続で横ばいとなり、上昇トレンドは抑えられました。それらをみると、雇用情勢は改善しているとは判断しにくい内容です。

3月利上げまで1カ月半、2月の雇用統計も点検

1月の雇用統計を受け、連邦準備制度理事会(FRB)による年3回の利上げシナリオに現実味が増したとされ、3月20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で今年初となる政策金利の引き上げを期待したドル買いが強まりました。ただ、その見立ては少し気が早すぎるのではないでしょうか。3月のFOMCまでは1カ月半も先で、3月2日に発表予定の2月の雇用統計の見極めも必要でしょう。
実際、CMEグループが算出するFedウォッチでは3月利上げの予想は70%台後半にとどまっており、現時点ではそれほど強い期待はみられません。1月26日の10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前年を下振れたものの、個人消費は堅調でした。一方で、ISM製造業景気指数のうち雇用指数は低調で、製造業の雇用に関しては判断しきれません。それらの重要経済指標を見極める必要から、3月利上げは不透明との見方もあります。

ドル110円台回復も失速、ユーロは急落後に回復

それにしても、ドル・円の浮揚力は何とも頼りなさげです。今回の雇用統計の内容が好感され、同日のNY市場では1月24日以来、1週間超ぶりにようやく節目の110円を回復しましたが、終盤には失速しています。逆に、ユーロ・ドルは2490ドル付近から急落した後、すぐに同水準まで回復するなど、値動きには底力が感じられます。引き続きユーロ・ドルの上昇に押され、ドル・円は目先110円を割り込む可能性もあるでしょう。

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