【KRW】平昌五輪で収支改善は困難か

連日熱戦が続く平昌(ピョンチャン)オリンピックは、1998年の長野大会以来、20年ぶりのアジア開催です。韓国にとって旅行収支の改善にまたとない好機ですが、3年超ぶりのウォン高はどのような効果があるでしょうか。

20年連続の経常黒字も、旅行は過去最大の赤字

韓国銀行(中銀)がまとめた2017年の国際収支によると、経常収支は+784.6億ドルとなり、20年連続で黒字を記録しました。ただ、過去最大となった旅行収支の赤字が響き、黒字額は前年の+992.4億ドルから縮小。旅行収支に関しては、アメリカ最新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」の在韓米軍への配備をめぐり関係が悪化した中国からの渡航者の減少と、ウォン高を背景とした韓国人の海外への渡航者の増加が特徴です。
韓国のインバウンドとアウトバウンドの不均衡が改めて示され、平昌オリンピックはその改善のきっかけになると期待されます。2月9-25日の開催期間中、海外からの渡航者は40万人と見込まれています。2月16日からは「春節」による連休と重なるとあって、外交関係のほか「クール・コリア」や「爆買い」など文化・経済での交流を活発化させようと、韓国政府は中国人旅行者のテコ入れに向け、入国ビザの申請を免除しています。

ウォン高でおトク感なし、中韓は根深い対立

韓国への渡航者が増加すれば、ウォンの需要が高まります。ウォンは、昨年1年間でドルに対し17%も上昇し、2014年10月以来、3年4カ月ぶりの高値水準まで値を切り上げていました。トランプ政権のセーフガード発動で、韓国のサムスン電子やLG電子の洗濯機などが対象に含まれたことから、国内経済の腰折れへの警戒で株安に振れ、ウォン高はいったん収束。それでも、足元は1ドル=1070ウォン付近の高値圏で推移しています。
ただ、いくら南北融和を演出しても、少し前には核・ミサイル開発を誇示していた北朝鮮の隣国を、わざわざ訪れようとはしないのではないでしょうか。しかも、海外からみればウォン高で「おトク感」が乏しく、さらに観光資源に恵まれているとは言えない国ならなおさらです。さすがに韓国では自国開催のオリンピックへの関心は高いようで、現地に観戦に行く人は事前の調査で200万人にのぼるとみられています。
肝心の中国人旅行者は、報道によると日本以外ではタイやベトナム、シンガポールなど温暖なところに向かっているもようで、韓国はトップ10から外れてしまいました。2014年12月に直接取引を開始した人民元・ウォン相場は、昨年同様160-175ウォンのレンジ内でもみあいが続き、対ドルでのウォン高による影響は限定的と言えるでしょう。しかし、やはり外交上の根深い対立は、簡単に雪解けとはいかないようです。

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