【TRY】与党逆風でも売りは一時的か

トルコのメディアによると、調査機関が最近実施した世論調査でエルドアン大統領率いる公正発展党(AKP)は来年11月の議会選で過半数を下回る見通しです。今後各党との連携に向けた調整次第では、リラの値動きに影響するかもしれません。

AKPは過半数割れ、大統領選は苦戦の可能性も

トルコ議会は憲法改正により現行550議席が600議席に増えますが、直近の世論調査では中道右派の与党AKPの単独過半数割れが伝えられています。エルドアン大統領は今月半ば、極右政党の民族主義者行動党(MHP)のバフチェリ党首と会談し、選挙に向けた両党の連携を確認しました。ただ、両党で議席を合わせても、盤石とは言い切れません。他の政党は現時点で静観し、相乗りには消極的のようです。
他方、第2党で中道左派の共和人民党(CHP)は、反AKPの受け皿としてやや勢力を盛り返しつつあります。また、昨年10月に旗揚げしたばかりで注目される新党グッド・パーティ(iYi)は支持率を10%台に乗せ、本番での躍進に期待が高まっています。1990年代のエルバカン政権で女性初の内務相を務めた経験を持つ同党の党首メラル・アクシェネル氏は、タカ派のベテラン女性政治家として知られています。
アクシェネル氏はMHPを離党した後、新党を起ち上げ大統領選への出馬を表明。エルドアン氏の独裁体制を阻止するため現在の議院内閣制継続の重要性を訴え、立候補に必要な10万人の署名集めに奔走しています。当初からエルドアン批判を展開しており、トルコのアメリカとの関係悪化を招いた責任についても攻撃しています。支持率はエルドアン氏に及ばないものの、今後追い上げる可能性は十分あるでしょう。

「1強」の目算狂えばリラ売り、選挙時期が焦点に

「1強」とみられていたエルドアン氏の追い上げられる状況が鮮明となれば、リラはどのように変動するでしょうか。リラは足元では、おおむね1ドル=3.72-3.85リラのレンジ内でもみあう展開となっています。アメリカのトランプ政権が保護主義的な姿勢を打ち出したり、閣僚がドル安を容認したり、あるいは長期金利の急激な動きで株価が乱高下するなど、ドルの方向感が定まらないことが主要因です。
トランプ政策やトルコの政治情勢の安定化への期待から、2018年はドル安・リラ高のシナリオが想定されていました。今後、野党の支持が広がりそうなら、大統領選・議会選は前倒しの可能性もあります。ただ、そもそも同国の大統領権限の強化は危うさをはらんでいる、との見方も根強くあります。野党追い上げに伴い、警戒のドル買い・リラ売りは強まるかもしれませんが、それほど長期化するとも思えません。

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