【EUR】ECB理事会で「主役」交代か

3月初旬はドイツとイタリアの政治リスクが警戒され、ユーロ・ドルはやや売られやすい地合いとなりました。ただ、ユーロはなかなか思惑通りに動かない通貨ですが、8日の欧州中銀(ECB)理事会を通過後は相場の主導権をドルから奪う可能性があります。

1月は上昇基調も、相場はドルに主導権

ユーロ・ドルは今年、1.2015ドルで寄り付いた後、1月16日に節目の1.22ドルを上抜けました。ECBは現行の資産買入れプログラムのフォワード・ガイダンス(政策方針)を段階的に縮小する方針が市場に浸透し始め、昨年の終盤から緩和的な金融政策の縮小への期待が背景にあります。そうしたなか、12月開催のECB理事会の議事要旨が公表され、タカ派寄りの意見が目立ったことからユーロが騰勢を強めます。
ちょうどトランプ政権のセーフガード発動が嫌気されたほか、ムニューシン財務長官のドル安容認でドル売りに傾いているタイミングでした。このため、ユーロ選好地合いとなり、ユーロ・ドルは1月25日、一気に1.25ドル台を回復。その後はアメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)でややドル買いに振れましたが、ここまでは「ユーロ買い」というよりも「ドル売り」だったと言えるかもしれません。

欧州政治リスクは後退、トランプ政策に不透明感

もともと、今年はユーロが主役になる年だとみていました。というのも、昨年焦点となったフランス大統領選で中道左派のマクロン氏がポピュリズム政党のルペン党首を破り、ドイツの議会選では極右政党が台頭しながらも、メルケル政権の継続がこの3月に決まったためです。また、足元のイタリア議会選の投票結果から先行きの議会運営に不安は残るものの、大きな波乱もなく欧州政治リスクは後退しました。
逆に、アメリカは政治リスクが金融市場の悪材料になりつつあります。昨年末は税制改正法案をめぐる与野党対立で共和党は議席数で押し切ることができましたが、中間選挙で与野党が入れ替わればトランプ政策に関する法案が通らなくなります。さらに、そのような事態を避けようと、トランプ大統領は無理やりに保護主義的な方向に舵を切り、そのため貿易戦争を懸念したドル売りも見込まれます。

ECB会合後は買い優勢も、ユーロ高けん制に警戒

こうしたなかで、ECBは3月8日開催の理事会でフォワード・ガイダンスの修正に踏み切る公算です。1月26日の理事会では見送られましたが、政治情勢への懸念が払しょくされつつある今、金融正常化によってユーロが相場を主導する可能性が出てきたと言えます。ただし、ECBはユーロ高を望んでおらず、当局者はアクセルよりもブレーキを踏む回数の方が多くなる、とみています。

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