米大統領の「ドル高けん制」

2018年の第1四半期に鮮明となったドル安・円買い基調が一服したと思っていたら、トランプ大統領閣下のお出まし。アメリカの輸入制限に対抗する中国への追加関税に言及したことで、株安を通じたドル売り・円買い再開の可能性があります。

米3月雇用統計は前月の反動減

4月6日の取引では、米3月雇用統計とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が注目されましたが、いずれもドル売り材料となりました。雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+10.3万人(予想+19.3万人、2月+31.3万人/修正後+32.6万人)、失業率は4.1%(予想4.0%、2月4.1%)、平均時給は前月比+0.3%(予想+0.3%、2月+0.1%)でした。このうち、非農業部門雇用者数の大きな下振れが嫌気されたようです。
ただ、同雇用者数に関しては、上方修正された2月の反動減と考えられます。また、失業率は予想を下回ったものの、前月と同水準でした。さらに、平均時給は2月を上回り、事前の想定と一致。総体としてそれほど悪い内容ではありません。特に、広義の失業を考慮したU6失業率は昨年11月以来、4カ月ぶりに改善を示しました。求職者の動向を示す行動率も前月並みの水準で、雇用情勢の悪化とみるのは無理がありそうです。

トランプ政策の推進でドル安主導

一方、日本時間7日2時半から始まったパウエルFRB議長の講演で、金融正常化の方針が改めて示されています。目先の利上げペースが3回から4回に加速するとの期待が高まれば、米長期金利を上昇させ、ドル買いを誘発するとみられていました。しかし、逆に金利の上昇は景気拡大に水を差すとの懸念が強まり、株安を通じてドル売りに振れる展開となりました。ドル・円は節目の107円を割り込んで取引を終えています。
やはり、トランプ大統領の中国への強硬姿勢で、米中経済摩擦の思惑が広がったことが、最大のドル売り要因です。ドル・円は3月下旬に104円半ばまで下げた後、4月第1週は107円半ばに持ち直しましたが、政策に関するトランプ発言がドルの回復を阻止。こうしたケースが今年は目立ちます。金融当局者のよるドル高けん制発言とは異なるものの、よく似た効果をもたらしており、週明け以降もドルを押し下げる手がかりとなりそうです。

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