ドルは下値が堅い、欧州通貨は売り継続

本日のドル/円は下値の堅い値動きが続きそうです。欧州の経済指標から回復の鈍化が裏付けられ、中銀の政策スタンスの違いが鮮明になっているためです。ドルは再び心理的節目の110円を目指す展開が見込まれます。

スイスの持ち直し基調も弱まる

5月7日の取引は、足元のドル選好地合いを象徴するような展開でした。4日に発表されたユーロ圏3月小売売上高など経済指標の低調な内容が材料視され、断続的なユーロ売りがドルを押し上げました。欧州経済の下降ぎみ回復ペースは、スイスにも表れています。前日の4月消費者物価指数は前年比+0.8%で予想と一致。ただ、同指数は昨年1月、3年超ぶりにプラスに転じたものの、ここにきて伸び悩んでいます。
本日午後にはスイス4月失業率が発表されます。雇用情勢にも回復の遅れが示されれば、昨年から持ち直しつつあった欧州経済は広範囲で逆戻りしていることが意識されるでしょう。欧州中銀(ECB)の出口戦略への思惑はさらに後退し、相対的なドル買いが継続する見通しです。ドル・円は1-2日の連邦公開市場委員会(FOMC)後、110円台回復に失敗しましたが、目先も109円台を維持できれば週内の再トライが見込まれます。

米6月利上げに基盤固めか

本日の注目は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言内容です。足元では連銀総裁の講演などが相次ぎ、いずれもタカ派寄りの見解を示しています。パウエル議長から6月利上げに向けたメッセージが感じ取れれば、ドル買い基調はさらに鮮明になりそうです。逆に期待ほど強気でなくても、他の通貨が買いづらいため、ドルの失望売りにつながる展開は想定しづらいと思われます。
反面、そうしたドル買い基調の負の側面として、トルコリラをはじめ香港ドル、南アランド、アルゼンチンペソといった新興国通貨売りが顕著になり、今後市場の懸念材料になる可能性が出てきました。一方、日本は国会審議に野党が復帰する見通しです。ただ、「モリ・カケ」問題にもかかわらず、安倍晋三首相の支持率は30%前後と驚異的に高く、退陣を見込んだ円買いシナリオは描きにくい状況となりそうです。
■主な注目材料
07:00 インドネシア1-3月期国内総生産
08:30 日3月家計支出
09:30 豪1-3月期小売売上高
14:45 スイス4月失業率
15:00 独3月貿易収支、同鉱工業生産
ノルウェー3月製造業生産
16:00 ハンガリー3月工業生産高
16:30 英4月ハリファックス住宅価格指数
17:00 台湾4月消費者物価指数、生産者物価指数
20:00 チリ4月消費者物価指数
21:15 カナダ4月住宅着工件数
23:00 米3月JOLT求職
休場:カザフスタン、チェコ、スロバキア

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