ドル伸び悩み、中東情勢に警戒も

本日のドル/円は伸び悩む展開となりそうです。アメリカの経済指標が強含み、長期金利の一段の上昇につながれば水準を切り上げるでしょう。ただ、中東情勢への警戒から、心理的節目の110円を大きく上回るシナリオは描きづらい見通しです。

今月3度目の110円トライへ

5月14日の取引は、材料難だったせいもあり動意の薄い展開となりました。NY市場の値幅は109円半ばでわずか24銭にとどまりました。前週発表されたアメリカのインフレ関連指標の予想下振れで利上げ加速への期待は後退し、ドルは積極的には買いづらい一方、連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化と他の主要中銀の政策の違いを考えればドル以外も買いづらい、という地合いだったのではないでしょうか。

15日早朝の時点でドルは109円70銭付近で推移しており、本日は節目の110円を目指す展開となりそうです。ただ、米10年債利回りが3%付近に上昇しているわりに、ドルの上昇ペースは緩慢です。今月に入り110円トライは2回ありましたが、いずれもワンタッチに終わり、さらに109円台前半に押し下げられた値動きから判断すると、確かにかなり強い売り圧力が観測されます。

節目の手前で上値の重さを意識

その売り圧力を払いのけ、ドルは110円台に水準を切り上げられるでしょうか。本日は午後6時のユーロ圏1-3月期国内総生産 (改定値)と同9時半の米4月小売売上高が注目されます。足元の欧州経済の回復鈍化が裏づけられればユーロ売り/ドル買いに振れるでしょう。また、アメリカの景気拡大基調が維持されれば、ドルは一段高が見込まれます。ただ、小売売上高を含め、今週の米経済指標は下振れ予想が目立ちます。

一方、アメリカがイスラエルの首都をエルサレムと認定して大使館を移転させたほか、イラン核合意から離脱するなど、トランプ大統領の中東政策が次々に混乱を引き起こしています。中東対イスラエル、イラン対イスラエル、イラン対サウジアラビアと、これまで抑えられてきた複合的な対立が一気に表面化しており、紛争の続くシリアでイスラエルによるイラン軍事施設への攻撃に発展しています。

中東情勢がさらに悪化するとの懸念から、リスク回避の円買いは避けられず、ドルの上値を押さえる可能性は否定できません。

■主な注目材料
06:00 韓国4月輸入物価指数
10:30 豪準備銀・議事録公表
11:00 中国4月小売売上高、同鉱工業生産
13:30 日3月第3次産業活動指数
    独3月貿易収支
15:00 独1-3月期国内総生産
15:00 ノルウェー1-3月期国内総生産、同貿易収支
15:50 ウクライナ3月貿易収支
16:00 トルコ失業率
チェコ1-3月期国内総生産
    ハンガリー1-3月期国内総生産
16:15 スイス4月生産者物価指数
17:00 ポーランド1-3月期国内総生産
17:30 英3月ILO失業率
18:00 ユーロ圏1-3月期国内総生産 (改定値)、ZEW景況感指数
独5月ZEW景気期待指数
英インフレ報告公聴会
18:30 南ア1-3月期失業率
21:10 インド貿易収支
21:30 米4月小売売上高、同NY連銀製造業指数
21:55 米レッドブック
00:30 イスラエル4月消費者物価指数
01:00 コロンビア国内総生産
ペルー3月国内総生産
04:00 アルゼンチン4月消費者物価指数
未定 世界乳製品取引価格指数

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