ドルの戻りは鈍い、新たな米輸入制限が重石

本日のドル/円は前日の大幅安から回復するものの、戻りの鈍い展開となりそうです。新興国通貨安への過度な警戒は後退し、ドルは買戻しが期待されます。ただ、ユーロ売りの収束やトランプ政権の新たな輸入制限がドルの上昇を抑えるでしょう。

新興国通貨は回復基調、米金利も持ち直し

前日は、トルコリラの仕掛け的な売りをきっかけに混乱が広がり、安全資産への逃避が活発化しました。リラ以外の新興国通貨もいっせいに売られ、円や米国債などに資金が流入。地合いの悪化を受け欧州経済の先行きへの懸念も増幅し、クロス円の下落やアメリカの長期金利は低下、ドル/円は欧州取引時間帯に一時109円56銭まで弱含みました。23日は1円半程度も円高が進んだことになります。
24日の取引は前日の動きをある程度巻き戻す展開を予想します。トルコリラは中銀の緊急利上げで通貨暴落の危機はいったん収束。ブラジルレアルや南アランド、香港ドルなど他の新興国通貨も足元では下げ渋っています。また、注目された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨はタカ派寄りと受け止められ、引き締めペースを年内4回(あと3回)に加速するとの期待感からドルの買戻しが入りやすいでしょう。

ECB議事要旨は想定内、米通商政策に懸念も

ただし、ドルの戻りは小幅にとどまりそうです。イタリア情勢や欧州の弱い経済指標は引き続きユーロ売り/ドル買い要因で、今晩発表の欧州中銀(ECB)理事会の議事要旨(4月26日開催分)で回復の遅れなどが示されればユーロ売りは再開するかもしれません。反面、回復基調の鈍化とECBの引き締め姿勢の後退はすでに織り込み済みで、ユーロは持ち高調整の買戻しに振れれば、ドル買いは弱まる見通しです。
また、トランプ政権は鉄鋼などに続き、自動車に関する輸入関税が報じられています。6月は、米中間選挙に向けた共和党の予備選が20カ所で予定されており、「アメリカ・ファースト」を訴える方針で、新たな摩擦の要因がドル買いを抑えるでしょう。ドル/円は前日NY市場で110円台に戻し、下値の堅さは意識されます。ただ、前日の「後遺症」で米長期金利や日本株は低水準となり、戻りは鈍いと予想します。
■主な注目材料
07:45 NZ4月貿易収支
09:00 シンガポール1-3月期国内総生産
14:00 日3月景気動向一致指数
15:00 独1-3月期国内総生産、独6月GfK消費者信頼感
15:00 デンマーク4月小売売上高
16:30 スウェーデン4月生産者物価指数
17:30 英4月小売売上高
18:00 英インフレ報告公聴会
20:30 欧州中銀(ECB)理事会議事要旨
21:30 米失業保険申請件数
カナダ3月企業収益
22:00 米3月住宅価格指数
22:00 南ア準備銀定例会合/政策発表
23:00 米4月中古住宅販売戸数
ブラジル4月経常収支
休場:ブルガリア

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