ドル下げ渋り、米経済指標の上振れに期待

本日のドル/円は下げ渋る展開となりそうです。前日の大きな下げは一服し、アメリカの経済指標や金融政策を手がかりに買戻し中心となる見通し。ただ、ユーロ圏の政局懸念は残り、戻りの鈍い展開を予想します。足元の上昇トレンドが維持できるか注目されます。

ユーロは2円超下落、米長期金利も水準切り下げ

5月29日の取引は、イタリアの新政権の組閣失敗でユーロ/円はアジア市場の朝方にやや買い戻された後、同国の政治情勢の先行き不透明感からリスクオフの展開となりました。イタリア国債や欧州株は大きく売られ、ユーロ/円は127円27銭から124円62銭まで2.1%の大幅安を記録。アメリカは株安、債券高となり、ドル・円は109円46銭から108円11銭まで1.2%も下げるなど、混乱が広がりました。
それを受け、マネーの安全資産への逃避が強まり、米国の国債買いで長期金利は水準を切り下げました。10年債利回りは2.90%台から1カ月半ぶりとなる2.76%台まで急低下し、それもドルの押し下げ要因となりました。先々週には3.12%に上昇していたので、足元の下げは特に目立っています。NY市場で同利回りの低下はいったん収束していますが、大きく切り返す展開は想定しにくい状況です。

米GDPなどに思惑、3月以降の上昇トレンドは?

前日の市場の収縮を考えると、さすがに調整に動くでしょう。米株安を受け日本株は軟調スタートが見込まれるものの、29日のドルは108円台で押し目買いが観測されました。ドル/円は、アジア市場では安値圏でもみあいが続く見通しですが、今晩発表の米1-3月期国内総生産(改定値)と5月ADP雇用統計は底堅い内容が予想され、アメリカの景気拡大や金融正常化が再びテーマとなればドルは買戻しが強まるとみます。
ただし、ドルの戻りは限定的かもしれません。イタリア政局のほかスペインの内閣不信任案もあり、ヨーロッパの政治の不安定化を背景としたユーロ圏の混乱からユーロ・円の買戻しは入りづらい見通し。また、安全資産買いで米長期金利は上昇に向かわず、ドルの上昇は限定的でしょう。ドル/円の回復ペースが鈍いと、3月下旬から続く上昇トレンドは転換の可能性も指摘されているため、NY終値でどこまで戻せるか注目されます。
■主な注目材料
07:45 NZ4月住宅建設許可件数
08:50 日4月小売業販売額
10:30 豪4月住宅建設許可件数
13:00 タイ4月鉱工業生産
14:00 日5月消費者信頼感
15:00 独4月輸入物価指数、4月小売売上高
16:00 スイス5月KOF先行指数
17:00 スイス5月ZEW期待指数
独5月失業率、同消費者信頼感
20:00 米MBA住宅ローン申請件数
21:00 独5月消費者物価指数
ブラジル1-3月期国内総生産
21:15 米5月ADP非農業部門雇用者数
21:30 米1-3月期国内総生産 (改定値)、米4月貿易収支
カナダ1-3月期経常収支、4月鉱工業製品価格
21:55 米レッドブック
23:00 カナダ銀定例会合/政策発表
03:00 米ベージュブック
休場:マレーシア

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