ドル伸び悩み、貿易摩擦への警戒感で

本日のドル/円は伸び悩む展開となりそうです。ヨーロッパの政治情勢に関する不透明感は徐々に弱まり、円買いの巻き戻しが進む見通し。ただ、トランプ政権による鉄鋼製品の輸入関税適用で貿易摩擦への警戒からドルは上値が押さえられると予想します。

欧州政治情勢を注視、米FRBへの影響も

5月31日の取引は、引き続きイタリアやスペインの政治情勢をにらみながらの展開となりました。イタリアでは、「五つ星運動」などによる組閣の再調整を受け政局混乱の回避を好感したユーロの買戻しが進み、リスク回避的な円買いの巻き戻しがドル/円、クロス円を押し上げました。ただ、スペインのラホイ首相に対する不信任決議の可能性は残り、本日の採決によっては再び警戒感が広がる展開もありえます。
イタリア政局の一服で同国の国債利回りは落ち着いたものの、まだ予断を許す状況ではないでしょう。連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事による昨晩の講演は、ブラックアウト入り直前のタイミングで欧州政治リスクにどのように言及するか注目されました。それに関しては、ユーロ圏の金融情勢は悪化したとし、状況の変化に応じて「調整する用意がある」と金融正常化方針の変更を示唆しています。

米雇用統計上振れも、貿易戦争に思惑

しかし、ブレイナード氏はそう述べる前に、政策金利の「段階的な引き上げが適切」との見解は変えていないとも述べています。FRB当局者のなかで最もハト派寄りに位置付けられる同氏の金融正常化堅持の姿勢は、目先もドル買い基調を根底で支えることになるでしょう。今晩注目される米5月雇用統計は、前回並みか小幅改善が予想されていますが、想定を極端に下回らなければ利上げ加速への期待は残るとみます。
とはいえ、トランプ大統領は前日、鉄鋼・アルミ製品の輸入に関しカナダやメキシコ、欧州連合(EU)への輸入関税の追加を発表し、またしてもネガティブな材料を提供しています。本日のアジア市場では日本株安を背景にドル/円は軟調地合いとなりそうです。また、欧米市場ではユーロや米長期金利次第ですが、雇用統計の発表を受け買われるものの、根強い警戒感から上昇は限定的と予想します。
なお、日足の一目均衡表で基準線は横向きが続いていますが、NY市場でドルが109円台に定着して取引を終えることができれば、週明け以降、節目である110円台を回復する可能性はあるでしょう。
■主な注目材料
07:45 NZ1-3月期交易条件指数
08:00 韓国1-3月期国内総生産、5月消費者物価指数
08:30 豪5月製造業PMI
08:50 日1-3月期法人企業統計
09:00 韓国5月貿易収支
09:30 台湾5月製造業PMI
10:00 豪新築住宅販売戸数
10:45 中国5月財新製造業PMI
14:00 インド5月製造業PMI
16:30 スイス5月景気指数
16:55 独5月製造業PMI
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI
英5月製造業PMI
18:00 南ア5月製造業PMI
21:00 ブラジル5月製造業PMI
21:00 南ア5月国内自動車販売
21:30 米5月雇用統計
22:45 米5月製造業PMI
23:00 米5月ISM製造業景況指数、4月建設支出
04:00 ブラジル5月貿易収支
04:30 米5月自動車販売
休場:インドネシア

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする