ドル上げ渋り、貿易戦争の本格化に警戒

本日のドル/円は上げ渋る展開となりそうです。ヨーロッパの政治リスクに対する過度な懸念が後退するなか、長期金利や株価が手がかりに上昇基調は継続の見通し。ただ、欧州連合(EU)の対米報復関税で貿易戦争の本格化に警戒感が広がるでしょう。

200日移動平均線が抵抗線に

6月6日の取引で、ドル/円は5月24日以来、2週間ぶりに心理的節目の110円を上抜けました。110円の水準は前週末から抵抗線として意識され、接近するたびに節目付近の売り圧力に跳ね返される展開が続いていました。この日はドル買いの強い手がかりがあったわけではありませんが、何度目かのトライでようやく110円台に乗せており、目先はその水準を維持できるか注目されます。

ドルが大台回復後にストップロスを巻き込んで上値を試す展開とならなかったのは、200日移動平均線(110円19銭)付近が次の抵抗線となっているためです。前日は欧州市場とNY市場での上昇局面となっても110円20銭付近で止められました。ただ、そのレベルを本格的に上抜けられれば111円台、あるいは5月11日に付けた直近高値の111円39銭が視野に入るってくる、と市場筋はみているようです。

週末のサミットは議論紛糾か

ただ、そのシナリオは来週以降となるでしょう。アメリカの鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に対し、欧州連合(EU)は報復措置としてアメリカからのハーレーダビッドソンの自動二輪車やバーボンウィスキーなどへの追加関税を決定。アメリカは中国と協議中の貿易規模の拡大などで交渉が決裂すれば貿易戦争につながります。それにEUも加わることになり、世界的な通商摩擦が避けられない状況になってきました。

注目は、8-9日にカナダで開催される主要7カ国首脳会議(サミット)です。通商問題が主要議題となる見通しで、自国利益の追求のため保護主義的な政策を前面に押し出すアメリカと他6カ国の対立が鮮明になるでしょう。そうなれば、結果的に各国経済に悪影響を及ぼすとの懸念から、リスク回避的な円買いに振れやすくなりそうです。ドルは今週末まで110円付近でもみあう展開を予想します。

一方、サミットに先立って行われる日米首脳会談は、12日の米朝首脳会談に向けた最終調整となりそうです。森友・加計学園問題の取り扱いで批判が強まる安倍晋三首相にとっては、拉致問題の解決が切り札になるでしょう。有権者の期待に沿わない結果となれば、安倍首相は支持率急落で退陣に追い込まれる可能性もあり、日米間の協議の内容にも注視する必要があります。

■主な注目材料
07:30 豪5月AIG建設業指数
10:00 インドネシア4月小売売上高
10:30 豪4月貿易収支
12:30 タイ5月消費者信頼感
14:00 日4月景気動向指数
14:45 スイス5月失業率
15:00 独4月製造業新規受注
    デンマーク4月工業生産高
    ノルウェー4月製造業生産
ルーマニア国内総生産
16:30 英5月ハリファックス住宅価格指数
18:00 ユーロ圏1-3月期国内総生産
20:00 トルコ中銀定例会合/政策決定
20:00 南ア4月製造業生産
21:30 米失業保険申請件数
21:30 チリ貿易収支
22:00 メキシコ5月消費者物価指数
05:00 ペルー4月貿易収支
休場:マルタ

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