ドル上げ渋り、円売りも貿易摩擦に懸念

本日のドル/円は上げ渋る展開となりそうです。前日からのドル買いは一服しても、日銀金融政策決定会合で円売り基調は続く見通し。ただ、世界的な通商摩擦への懸念が広がるなか、週末に伴う調整の売りがドルの上値を押さえるでしょう。

ECB理事会後のドル買いは収束

6月14日の取引で、欧州中銀(ECB)理事会の政策内容は市場環境を変えました。量的緩和(QE)の年内終了は想定通りでしたが、低金利を少なくても来年夏まで維持するとの方針は、今週予定されていた重要イベントのなかで最も大きく相場を動かしたようです。ユーロ/ドルは2.4%、ユーロ/円は1.9%も下落。マネーはドルからユーロに向かいつつありましたが、ドルに逆戻りしています。

ドル/円は前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の利益確定売りで一時109円90銭台まで下げていましたが、ECBの政策決定やドラギECB総裁の発言を受け、15日早朝の取引では110円半ばに値を戻しています。14日の欧米市場で強まったユーロ売り/ドル買いはいったん収束し、本日は日銀の緩和政策堅持を受け円売りに振れそうです。ただ、貿易戦争などへの懸念が引き続きドルの重石となると予想します。

アメリカの保護主義に懸念続く

欧州連合(EU)がアメリカの鉄鋼・アルミ製品の関税措置をめぐり対立を深めていることは、先の主要7カ国首脳会議(サミット)で鮮明になりました。ユーロ圏の経済指標をみると域内経済の回復ペースは鈍化しているので、ECBにはユーロ安に誘導する狙いはあったと思われます。保護主義に傾倒するトランプ政権に一撃を加える意味でも、欧州勢の目論見通りだったのではないでしょうか。

一方、トランプ政権サイドからは15日にも中国の知的財産権侵害に対する関税を発動するとの見方が強まっています。ドル/円は再び111円を目指す展開ですが、欧米または米中の通商摩擦が本格化するとの懸念が強まっていることから、週末の調整によってドルの上昇は小幅に抑えられるでしょう。

■主な注目材料
07:30 NZ5月PMI
08:00 韓国5月失業率
10:30 中国5月住宅価格
昼ごろ 日銀金融政策決定会合/政策発表
13:00 インドネシア5月貿易収支
13:30 独4月小売売上高
15:00 独5月生産者物価指数
ノルウェー5月貿易収支
15:30  日銀総裁記者会見
18:00 ユーロ圏4月貿易収支、5月消費者物価指数
19:30 ロシア中銀定例会合/政策発表
21:00 ポーランド5月消費者物価指数
21:30 米6月NY連銀製造業指数
カナダ4月製造業出荷
22:00 インド経常収支
ロシア鉱工業生産
22:15 米5月鉱工業生産、設備稼働率、製造業生産
23:00 米6月ミシガン大学消費者信頼感
23:30 ペルー国内総生産
00:00 コロンビア4月鉱工業生産、小売売上高
00:30 イスラエル5月消費者物価指数
休場:シンガポール、インドネシア、マレーシア、スリランカ、バングラディシュ、パキスタン、クウェート、カタール、オマーン、イラク、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビア、パレスチナ、レバノン、トルコ、チュニジア、エジプト、モロッコ、ヨルダン、ケニア、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、コートジボアール

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