ドルは鈍い戻り、トルコリラ一段安に警戒

本日のドル/円は戻りの鈍い値動きとなりそうです。世界的な通商摩擦への過度な懸念の後退やアメリカの引き締め方針継続を背景に、買い戻しが先行する見通し。ただ、引き続き買い材料は薄く、週末の調整による売りに押される展開となるでしょう。

米経済指標の下振れ受けドル失速

6月21日の取引で、ドル/円は反落しました。アジア市場では、アメリカのトランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に関し、日本などからの輸入製品が一部適用除外の可能性が高まったとの報道で日本株は反転。円売りが強まり、ドルは一時110円75銭まで強含みました。5月21日以来、1カ月ぶりの111円台が射程圏内に入りましたが、その後は具体的なドル買い/円売り材料が続かず、ドルは失速します。
欧州市場では、イタリアでの欧州連合(EU)懐疑派の人事をめぐり欧州株は全面安となり、ユーロ/ドルは今年最安値の1.1510ドルを一時割り込みました。しかし、ユーロはその水準で強くサポートされ、ショートカバーで1.16ドル台に切り返し。また、NY市場ではアメリカの6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数の弱い内容が嫌気され、それをきっかけとした利益確定売りでドルは109円84銭まで値を下げました。
本日も具体的なドル買い材料は見当たらず、前日大幅安からの戻りは鈍いでしょう。今晩のOPEC総会の協議の内容が注目されますが、増産幅が想定ほど大きくなければ資源通貨は売りが後退し、クロス円はある程度買い戻される見通し。ドルは連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派的な姿勢を背景に買われやすい地合いは続くものの、週末を控え調整の売りに押し下げられると予想します。

選挙結果に関係なくリラは下落

6月24日投開票の大統領選・議会選(ダブル選)を週末に控え、結果が注目されています。直近の情勢調査では、野党第1党の共和人民党(CHP)のインジェ氏への支持拡大が目立っているようです。現職のエルドアン大統領には及ばないものの、決戦投票に持ち込めば、野党共闘で勝利する可能性もゼロではありません。大統領選は1回目の投票でどの候補者も過半数に達しなければ、上位2者により7月8日に決戦投票が行われます。
2019年11月とみられていた大統領選を1年半も早めた背景には、昨年の反エルドアン運動「正義の行進」への警戒があるためです。しかし、エルドアン氏と与党・公正発展党(AKP)の圧勝ムードはやや後退。インジェ・野党勝利なら政治の不安定化でリラは売り優勢となるでしょう。逆にエルドアン・AKP勝利の場合、エルドアン氏の政策運営への懸念が強まるため、どちらにしてもリラ売りに振れると予想します。
アメリカの金融正常化を背景としたドル選好地合いが広がるなか、リラ売りをきっかけに南アランドなど新興国通貨の下落に波及すれば、リスク回避的な円買いの地合いが強まり、クロス円の下落がドル/円を圧迫するでしょう。珍しくラマダン(断食月)を挟んだ今回の選挙戦は、「皇帝」を目指すエルドアン氏にどのような結果をもたらすでしょうか。
■主な注目材料
07:45 NZ5月入国者数
08:30 日5月全国消費者物価指数
16:30 独6月製造業PMI、サービス業PMI
17:00 台湾5月失業率
17:00 ユーロ圏6月製造業PMI、サービス業PMI、5月鉱工業生産
17:00 UAE消費者物価指数
21:30 カナダ5月消費者価格指数、4月小売売上高
22:45 米6月製造業PMI、サービス業PMI
未定 OPEC会議
休場:クロアチア、フィンランド、スウェーデン

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