ドルは上値が重い、米保護主義に拍車も

本日のドル/円は上値の重い値動きとなりそうです。主要中銀の金融正常化を考えると、ドルが選好される地合いは続く見通し。ただ、貿易戦争の経済への悪影響に警戒も出始めているため、ドルが水準を大きく切り上げるシナリオは描きにくいでしょう。

米保護主義傾倒でもドル買い

6月26日の取引は、アメリカの対中国、対欧州連合(EU)などの貿易摩擦への懸念が強まるなか、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針が改めて見直され、結果としてドル買い基調に振れました。アジア市場では、中国企業によるアメリカのハイテク企業への投資制限から米中間の対立が嫌気され、中国株の弱含みでリスク許容度低下の円買いが優勢となり、ドルは109円37銭まで値を下げました。
しかし海外市場では、アメリカとの通商摩擦で影響を受けそうなユーロやポンドなど欧州通貨、豪ドルやNZドルなどオセアニア通貨の売りが先行し、ドルは買い戻されました。主要中銀の金融政策が改めてテーマとなり、ドル選好地合いが鮮明です。保護主義にひた走るトランプ政権の通商政策が貿易摩擦という「リスク」を生んでいるにもかかわらず、ドルが買われる不可解な事態になっています。

米経済指標に貿易戦争の影響?

ドル/円は27日早朝の取引で110円台を維持していますが、本日は上昇ペースが鈍くなると予想します。アメリカの景気拡大傾向は足元の経済指標からも明らかですが、今月21日に発表された6月フィラデルフィア製造業景況指数や前日の同消費者信頼感指数は下振れ、貿易摩擦の影響との見方が出始めました。それが事実ならアメリカにとどまらず、世界経済にも打撃となり、FRBの利上げシナリオは修正を迫られるでしょう。
今晩9時半に発表されるアメリカの経済指標のうち、5月耐久財受注のコア指数は前回を下回る公算で、トランプ通商政策への警戒が広がればドル買いを弱める手がかりとなりそうです。11月の中間選挙に向け最盛期を迎えている共和党の予備選では、親トランプの候補者の躍進も目立ちます。アメリカの保護主義的な交易スタンスにますます拍車がかかる可能性から、ドル買いは慎重になると予想します。
■主な注目材料
07:45 NZ5月貿易収支
10:00 NZ6月業況判断
13:00 タイ5月鉱工業生産
15:00 ノルウェー4月失業率
17:00 スイス6月ZEW期待指数
17:00 ユーロ圏5月小売売上高
18:00 アイスランド6月消費者物価指数
19:00 英6月CBI流通業売上高
19:00 イスラエル5月小売売上高
20:00 米MBA住宅ローン申請件数指数
20:00 チェコ中銀定例会合/政策発表
21:30 米5月耐久財受注
21:30 米5月貿易収支
22:00 メキシコ5月貿易収支
休場:スリランカ

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