ドル上げ渋り、貿易摩擦の影響に警戒も

本日のドル/円は上げ渋る値動きとなりそうです。欧米経済指標や長期金利、株価にらみの相場展開となる見通し。このうち、前日発表された1-3月期国内総生産(GDP)の下方修正で通商摩擦による影響がクローズアップされ、ドル買いは後退する可能性もあります。

米GDP下方修正の背景は?

6月29日の取引は、ドル/円は通商摩擦への懸念が根強い一方で、長期金利や株価の動向に沿った値動きとなりました。アジア市場では米中の対立による中国株安の場面で円買いが強まり、一時109円97銭まで下落。ドルは押し目買いなどにより持ち直したものの、欧州市場では長期金利の低下で失速しています。ただ、NY市場ではダウなどの上昇がドル買いを誘発し、終盤に110円64銭まで強含みました。
同日発表されたアメリカの1-3月期GDP確定値は前期比年率+2.0%と、5月30日の改定値+2.2%から下方修正されました。その改定値も、4月27日発表の速報値から下方修正されています。速報値は予想を上回る+2.3%でした。改定値や確定値がそれぞれ弱い内容となった背景には、足元で発表されたフィラデルフィア製造業景気指数や消費者信頼感指数と同様、トランプ政権の仕掛けた貿易戦争があると指摘されています。

ドル111円台は週明け以降も

通商摩擦が具体的にどう影響しているのかといった議論はこれから活発になるとみられ、目先の経済指標がより注視されるでしょう。今晩は午後6時にユーロ圏の6月消費者物価指数(CPI)、同9時半のアメリカ5月個人消費支出(PCE)の発表が予定されています。ユーロ圏のインフレが改善すれば、最近の安値圏に弱含んでいるユーロ/ドルが買い戻され、その反動でドルは下押しされるかもしれません。
また、アメリカPCEはコア指数が前年比+1.9%と、前月の+1.8%から上振れ、連邦準備制度理事会(FRB)目標の+2.0%に接近すると予想されています。想定通りなら2012年以来の高水準。ただ、前日のGDP改定値で個人消費の伸びの鈍化が意識されるなか、今晩のPCEが低調となれば経済の先行きに注意が向かい始めるのではないかと思われます。本日は2018年前半の最終取引日でもあり、ポジション調整の売りも見込まれます。
29日アジア市場の早朝の取引で、ドルは110円40銭台で推移しています。米株高を受けた日本株高の観測から円売りが先行し、ドルを押し上げる見通しです。ただ、ドルは110円70銭付近、同90銭付近に売り圧力が観測され、強い買い材料がないと111円回復は難しいとみています。
■主な注目材料
08:00 韓国5月鉱工業生産、小売売上高
08:30 日6月消費者物価指数、5月有効求人倍率、5月失業率、5月鉱工業生産
13:00 タイ5月鉱工業生産
14:00 日6月消費者信頼感
14:00 日5月住宅着工件数
15:00 ドイツ輸入価格指数
15:00 デンマーク国内総生産、5月失業率
15:00 ノルウェー5月小売売上高
16:00 スイス6月KOF先行指数
16:00 チェコ1-3月期国内総生産
16:00 トルコ5月貿易赤字
16:00 ハンガリー5月生産者物価指数
16:30 タイ5月経常収支
16:55 独6月失業率 (6月)
17:00 ポーランド消費者物価指数
17:00 ノルウェー6月失業率
17:30 英1-3月期経常収支、1-3月期国内総生産
18:00 ユーロ圏消費者物価指数
21:00 チリ5月鉱工業生産
21:00 ブラジル失業率
21:00 ウクライナ5月経常収支
21:00 南ア5月貿易収支
21:30 米5月個人消費支出価格指数
21:30 カナダ4月国内総生産、5月鉱工業製品価格
22:00 チリ5月失業率
23:00 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数
00:00 コロンビア5月失業率
04:00 アルゼンチン5月鉱工業生産
休場:ウクライナ、マルタ、ペルー

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