ドル伸び悩み、メキシコペソは?

本日のドル/円は伸び悩む展開となりそうです。欧州連合(EU)の移民受入れ合意でリスク要因が後退し、円売りに振れやすい見通し。ただ、今週末発表のアメリカ雇用統計を控え、111円手前の厚い売り圧力を大きく上抜けるほど買いは入りづらいと予想します。

ドイツ政治の不透明感は後退

6月29日の取引は、EUの移民受入れ問題が急転直下で合意に達したことでドイツの政治的不透明感が後退し、アジア市場でリスク回避の円買いが大きく巻き戻されました。EU内の議論が暗礁に乗り上げればメルケル政権の連立解消、解散・総選挙といった事態も懸念されていただけにユーロ/円の買戻しが優勢となり、クロス円がドル/円をけん引。ドル・円はNY市場で110円94銭まで強含む場面もありました。
ただ、NY市場のドル/円はさえない値動きでした。終盤には10年債利回りが2.86%台に大きく回復しドルは111円回復が視野に入ったものの、利益確定売りで110円60銭まで下げ、そのまま引けました。このところ、110円70銭と110円90銭に売りオーダーが集中しているとの見方があり、それがドルの上昇を妨げているもようです。週明け2日も、110円台後半は上昇ペースが鈍いと思われます。

ドル111円視野も下押し圧力

2日アジア市場の早朝は、ドルは110円半ばから後半で推移しており、この後は日本株高を手がかりにやや円安に振れる見通し。ただ、EU移民問題の解決でドイツの政局リスクが緩和されたのを受け、本日発表されるユーロ圏の5月失業率など経済指標が底堅い内容となればユーロ/ドルの買戻しは続き、ドルの下押し圧力となりそうです。NY市場ではアメリカISM製造業景気指数が弱ければ、111円台は明日以降に持ち越しとなるでしょう。

メキシコ大統領選受けリラ売り買い交錯

一方、任期満了に伴い1日に行われたメキシコ大統領選の投票結果が、日本時間の本日午前中にも判明する見通しです。メキシコでは、ペニャニエト政権で与党だった制度的革命党は1929年から2000年まで、実に71年間にわたり与党として君臨しました。その後右派政権を経て2012年に与党に返り咲いたものの、今回は左派勢力に惨敗が見込まれます。日本で2009年に民主党が政権を奪還した時と状況が似ています。
選挙戦終盤の情勢調査などから、2014年に新党として旗揚げした国家再生運動から立候補した元メキシコ市長、ロペスオブラドール氏が優勢のようです。同時に実施された上下両院の議会選でも国家再生運動は躍進が見込まれています。ロペスオブラドール氏は政府債務の縮減を目指していることから、想定通り同氏の勝利が決まればメキシコペソはいったん上昇に振れる可能性があります。
反面、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をはじめ対米関係の悪化は避けられないほか、左派政権は同国初とあって政治の安定の視点からもやや不安がつきまとい、ペソの売り買いは交錯しそうです。
■主な注目材料
08:30 豪6月製造業PMI
08:50 日4-6月期日銀短観
09:30 韓国6月製造業PMI
09:30 台湾6月製造業PMI
09:30 インドネシア6月PMI
10:00 豪MIインフレ指数
10:45 中国6月財新製造業PMI
13:00 タイ6月消費者物価指数
13:00 インドネシア6月消費者物価指数
14:00 インド6月製造業PMI
15:00 ロシア6月製造業PMI
15:30 スウェーデン6月製造業PMI
16:00 ポーランド6月製造業PMI
ハンガリー6月PMI
トルコ6月製造業PMI
16:15 スイス5月小売売上高
16:30 スイス6月PMI
チェコ6月製造業PMI
17:00 ユーロ圏6月製造業PMI
ポーランド6月消費者物価指数
17:30 英6月製造業PMI
18:00 ユーロ圏5月生産者物価指数、同失業率
南ア製造業PMI
21:00 南ア6月国内自動車販売
22:00 シンガポール6月製造業PMI
ブラジル6月製造業PMI
22:45 米6月製造業PMI
23:00 米6月ISM製造業雇用指数、5月建設支出
23:30 メキシコ6月製造業PMI
04:00 ブラジル6月貿易収支
休場:香港、ボツワナ、ルワンダ、ザンビア、カナダ、コロンビア、ベネズエラ、チリ

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