ドル上げ渋り、雇用統計後も買いは慎重

本日のドル/円は上げ渋る展開となりそうです。今晩発表のアメリカ6月雇用統計がほぼ想定通りの内容なら、ドルは売りづらいでしょう。ただ、米中通商摩擦への懸念が強まるなか、引けにかけては週末の調整売りに押され、失速すると予想します。

トランプ通商政策で墓穴か

7月5日の取引は、アジア市場ではやや動きがみられたものの、欧米市場は全般的に動意の薄い展開となりました。国内総生産(GDP)ランキング1位のアメリカと2位の中国による通商摩擦が本格化すればさすがに世界経済へのダメージは避けられないため、引き続き最大の懸念材料となっています。アジア市場では中国の上海総合指数は警戒で売りが強まり、リスク許容度の低下による円買いに振れる場面もありました。
前日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨には、金融正常化方針を確認する一方で貿易摩擦による影響も言及され、今後米中間の対立が深刻化すれば景気の減速につながるとの見方が示されました。状況が変わらなければ、結果として連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めシナリオを修正せざるを得なくなるとの思惑から、ドルは小幅ながら売られ、NY市場は110円60銭台で取引を終えました。

米雇用統計後も買い限定的に

本日のアジア市場早朝の取引で、ドルは前日終値付近の110円60銭台でもみあいが続いています。NYダウの上昇を受け日経平均株価は買い先行となり、やや円売りに振れる見通しですが、上海総合指数が軟調となれば日本株を押し下げ、ドルは110円前半に値を下げる展開が予想されます。その後はアメリカ雇用統計の内容を見極めようと、ドル売り/円買いはレンジ内での取引にとどまるでしょう。
雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比20.0万人増(前月22.3万人増)、失業率は3.8%(同3.8%)、平均時給が前年比2.8%増(同2.7%増)と見込まれます。仮に想定を下回れば通商問題の影響との見方が広がり、円を押し上げる見通しです。個人的には広義の失業を意味するU6失業率を注目。ここ数年の最低水準が維持できなければアメリカ経済は早晩ピークを越す展開となるかもしれません。
ドル/円は、アジアや欧米の取引時間帯に株価や長期金利を手がかりとして111円を回復する場面も考えられますが、貿易問題を背景に調整の売りが重石になると予想します。
■主な注目材料
07:30 豪6月AIG建設業指数
08:30 日5月消費支出
09:00 日5月平均給与所得
コロンビア6月消費者物価指数
14:00 日5月景気指数
15:00 独5月鉱工業生産
デンマーク5月工業生産高
ノルウェー5月製造業生産
ルーマニア国内総生産
16:00 ハンガリー5月工業生産高
16:30 英6月ハリファックス社価格指数
20:00 チリ6月消費者物価指数
21:00 ブラジル6月消費者物価指数
21:30 米6月雇用、5月貿易収支
    カナダ6月雇用統計
22:00 ロシア消費者物価指数
23:00 カナダ6月IveyPMI
休場:カザフスタン、チェコ、リトアニア、マラウイ

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