ドル小じっかり、イベントリスクは後退

7月9日のドル/円は、小じっかりの値動きとなりそうです。アメリカの雇用統計など重要イベントを終え、リスク要因の消化に伴い円買いは後退。ただし、米中貿易摩擦の本格化への警戒は弱まっておらず、積極的なドル買いは手控えられるでしょう。

米雇用統計は底堅い内容?

前週末の取引で、ドル/円はアジア市場ではやや上昇基調に振れ、短期的ながら110円80銭付近まで強含む場面がみられました。アメリカが中国の知的財産権侵害を理由に中国製品に対する制裁関税を開始し、米中の通商摩擦はエスカレート。ただ、こうした事態は事前に織り込みが進んでいたため、上海総合指数など中国株はプラスに反転します。日経平均株価も大幅高となり、ドルを押し上げました。
一方、海外市場では米中の貿易摩擦の激化が嫌気され、徐々にリスクオフムードが広がりました。この日の午後9時半に発表されたアメリカの6月雇用統計は、平均時給が予想をわずかに下振れたことを口実に週末の調整売りが強まります。その後、引けにかけては10年債利回りの持ち直しを手がかりにドルは回復。110円半ばで寄り付き上昇したドルは反落したものの、居心地のいい110円半ばに戻った、という値動きでした。

通商摩擦はより深刻化

ところで、6月雇用統計はどのように理解されるべきでしょうか。雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比20.0万人増(前月22.3万人増)、失業率は3.8%(同3.8%)、平均時給が前年比2.8%増(同2.7%増)と予想されていました。雇用者数は予想を上回り、失業率は一致。平均時給はやや低調だったものの、連邦準備制度理事会(FRB)の目標には達しているので、本来ならドル売りの材料になりにくいはずです。
一方、広義の失業を示すU6失業率は、ここ10年間で最低となった前回よりも小幅に上昇。雇用関連指標は経済の遅行指標なので足元の貿易問題を原因としたものではないとみられますが、求職者のすそ野の広がりは消費を抑えるため、インフレの押し上げ圧力を弱める可能性があります。1-3月期国内総生産(GDP)確定値の下方修正と合わせ、拡大基調のペースはやや鈍化している、との見方もできるでしょう。
7月9日の相場は、前週の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や雇用統計を受け、リスク要因の後退による小幅な円売りが見込まれるものの、通商問題を含め今後の見通しは明るくないためドル買いは慎重になる、と予想します。
■主な注目材料
08:50 日5月経常収支
14:45 スイス6月失業率
15:00 独5月貿易収支
15:00 デンマーク5月貿易収支
ルーマニア貿易収支
16:00 チェコ5月貿易収支、鉱工業生産
17:00 台湾6月貿易収支
18:00 インドネシア6月消費者信頼感指数
21:00 ウクライナ6月消費者物価指数
21:30 チリ貿易収支
22:00 イスラエル中銀定例会合/政策発表
メキシコ6月消費者物価指数
休場:ラトビア、ブラジル、アルゼンチン

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