ドルは売り先行、米中摩擦の激化で円買い

本日のドル/円は売り先行となりそうです。アメリカのトランプ政権は対中貿易制裁を強行し、両国の通商摩擦は制裁・報復の連鎖に陥るとの懸念から円買いが強まる見通し。世界経済の減速への警戒も広がり、リスク許容度の低下を予想します。

前日のリスク選好から一転

7月10日の取引は、アメリカと中国の貿易摩擦に対する過度な懸念は弱まり、株高を背景に円売り基調に振れました。ドル/円はアジア市場で111円台を回復した後、2日に付けた今月高値111円13銭を上抜け、欧米市場では株価や長期金利の上昇を手がかりに111円34銭まで強含みます。その後ドルは利益確定売りに上昇を阻止され、5月21日高値の111円39銭までは到達できなかったものの、111円を維持しました。
しかし、平穏なムードは長続きしません。本日の取引ではドルの111円台定着がテーマになるところでしたが、ドル/円は窓を空け110円台で寄り付いています。トランプ政権が近く2000億ドル相当の対中関税リストを公表するとの報道を受け、貿易問題における米中対立の激化に警戒が広がり円買い優勢の展開です。朝方の取引でドルは110円80銭付近まで弱含みました。クロス円も同様の値動きとなっています。

中国株や人民元の動向を注視

今年1月にトランプ政権が一部家電製品などの輸入制限に踏み切って以降、ドル・人民元は元への上昇圧力がかかり、春先までドル売り/円買いトレンドが続きました。ところが、6月14日に発表された小売売上高などは弱い内容となり、その後の通商摩擦では中国経済の悪影響への懸念、つまり世界経済の減速への警戒が広がっています。ドル/元は6月後半の約2週間で6.40元台から6.70元台へと約5%下げました。
上海総合指数をはじめ中国株も、このところ軟調地合いが目立っており、本日も中国株安に振れれば、リスク回避の円買いが強まりそうです。10日に発表された中国の消費者物価指数などは強い内容となったため、本日の極端な下げは想定しづらい状況ですが、ユーロ/円が130円を割り込めば、クロス円の下げは加速するでしょう。米中双方による追加制裁と報復措置の連鎖には落としどころが見えない状況になっています。
■主な注目材料
08:00 韓国6月失業率
08:50 日5月機械受注、6月企業物価指数
09:30 豪7月Westpac消費者信頼感、5月住宅ローン件数
13:30 日第三次産業活動指数
15:00 独6月生産者物価指数
スウェーデン6月失業率
ルーマニア6月消費者物価指数
16:00 マレーシア中銀定例会合/政策発表
チェコ6月消費者物価指数、失業率
トルコ5月経常収支
17:00 インドネシア5月小売売上高
ユーロ圏6月生産者物価指数
20:00 米住宅ローン申請件数指数
21:00 ポーランド中銀定例会合/政策発表
21:30 米6月生産者物価指数
23:00 カナダ銀定例会合/政策発表
00:15 カナダ銀総裁会見
休場:モンゴル

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