ドル円は小じっかり、111円台定着か

本日のドル/円は小じっかりの値動きとなりそうです。トルコリラ急落を背景とした新興国通貨安の伝播への過度な懸念は和らぎ、ドル選好地合いに戻る見通し。ただ、市場心理の回復ペースは緩慢で、ドルをさらに大きく押し上げるには至らないでしょう。

ドルは再び112円台目指す展開

8月14日の取引で、ドル/円はややしっかりの値動き。その前日までのトルコリラ急落をきっかけとした新興国通貨安への過度な懸念が後退し、欧州通貨売りが再開しました。一方で、安全資産であるアメリカ国債からマネーが流出して長期金利が上昇したこともあり、ドル選好地合いに戻っています。NY市場ではユーロ/ドルの弱含みを背景にドル買い基調が鮮明となり、ドルは一時111円59銭まで上昇しました。
その後ドル/円は失速し111円15銭で引けましたが、本日アジア市場ではアメリカの株高を受け日本株高に振れれば円売りが先行し、ドルは111円前半から半ばを中心とした値動きとなりそうです。前週は戻りの局面で、111円10銭台で上昇を阻止されるケースが目立ちましたが、14日にその水準を上抜けたことで次は前週高値の111円52銭付近がターゲットになるとみられます。

リラ安で「反トランプ」結束も

トルコリラ/円は前日から17円台に戻していますが、先安懸念は払しょくされていません。エルドアン大統領はアメリカ製品の不買運動を呼び掛けるなど対決姿勢を強めており、トランプ政権がさらに制裁を加えれば再びリラ売りに陥る状況だからです。リスク回避の円買いはある程度巻き戻されても、引き続きクロス円の上値を押さえるでしょう。ドル/円の回復ペースも緩やかにならざるを得ません。
ところで、トランプ大統領のトルコに対する制裁関税について、ヨーロッパでトルコへの同情論が広がっているようです。特に、ドイツはトランプ政権の自国最優先の通商政策のほか北大西洋条約機構(NATO)の同盟関係軽視に反感を強めているもようで、ユーロ圏がトルコ支援で結束するかもしれません。もちろん、リラ安によるヨーロッパの金融資産劣化を阻止する狙いがあります。
トルコは欧州連合(EU)の一員になることを諦めたとみていましたが、今回のリラ安をきっかけに加盟交渉は再開するでしょうか。メルケル首相は、エルドアン政権に対し中銀の独立性の重要性を説いており、エルドアン氏が素直に聞き入れればそんな流れになるかもしれません。
■主な注目材料
09:30 豪8月Westpac消費者信頼感
10:30 豪4-6月期賃金物価指数、労働賃金指数
10:30 中国7月住宅価格
13:00 インドネシア7月貿易収支
15:00 ノルウェー7月貿易収支
16:00 トルコ5月四半期失業率
17:00 ナイジェリア7月消費者物価指数
17:30 英7月消費者物価指数、生産者物価指数、生産者仕入・出荷価格
20:00 南ア6月小売売上高
米MBA住宅ローン申請件数指数
21:30 米7月小売売上高、8月NY連銀製造業指数、設備稼働率
22:15 米7月鉱工業生産
23:00 米6月企業在庫、8月NAHB住宅市場指数
00:30 イスラエル7月消費者物価指数
01:00 コロンビア4-6月期国内総生産
ペルー6月国内総生産
04:00 アルゼンチン7月消費者物価指数
休場:韓国、インド、バングラディッシュ、レバノン、イタリア、ギリシャ、キプロス、クロアチア、オーストリア、リトアニア、マルタ、ルーマニア、ポーランド、スロベニア、モーリシャス、ルワンダ、コートジボアール、コスタリカ、チリ

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