ドル円は底堅い/トルコ制裁の背景

本日のドル/円は底堅い値動きとなりそうです。トルコリラの安値圏での推移が続き、警戒の円買いが入りやすい地合いとなる見通し。ただ、今週後半に予定される重要イベントでアメリカのタカ派的なスタンスが見込まれ、ドルは売りづらいでしょう。

ドル110円台は押し目買い

8月10日の取引で、ドル/円は軟調。アメリカと中国の事務レベル協議の再開で両国の貿易面での対立が緩和されるとの観測から、アジア市場では111円台を回復する場面もありました。ただ、上値の重さが意識され再び110円台に。トルコリラの大きな下げは一服し、安全資産はやや売られます。このため、アメリカの10年債利回りは低下し、NY市場でドルは一時110円31銭まで値を下げました。
週明けアジア市場朝方のドル/円は、110円50銭付近で推移。この後は日本株安が嫌気されるものの、トルコリラがやや値を戻しているため、円高は小幅にとどまるでしょう。また、週後半に予定される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表、ジャクソンホール年次総会でのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長講演など、いずれもドル買い材料とみられ、目先はドル売りに傾く展開は見込みづらい状況です。
一方、アメリカのムーディーズが18日、トルコの長期発行体格付けを引き下げており、トルコの休暇でリラの買い手が少ないなか、どのように反応するか注目されます。

米防衛戦略を改めて理解

今週再開の米中協議により両国の通商摩擦を回避できる、と現時点では期待が高まっています。昨年12月にまとめられたアメリカの「国家安全保障戦略」で経済的な覇権を強調しており、いわば貿易戦争を示唆していました。このなかで、欧州連合(EU)や中国を「敵」ではなく「競争相手」と位置づけているのが印象的です。経済覇権に向け爆走中のトランプ政権が中国と折り合えるか、可能性は半々でしょう。
その安全保障に関する方針を改めて考えると、反グローバル主義のトランプ政権は北大西洋条約機構(NATO)を無力化しようとしているフシがあります。アメリカとトルコのように、加盟国どうしで制裁を発動するのは、どうやら今回が初めてのケースのようです。その問題でトルコとロシア、それにEUが接近し始めており、トランプ政権にとっては狙い通りと言えます。だとすると、リラの大底はそう遠くないかもしれません。
■主な注目材料
08:01 英ライトムーブ住宅価格指数
11:30 タイ4-6月期国内総生産
15:00 独7月生産者物価指数
17:00 ポーランド7月生産者物価指数、工業生産高
20:30 チリ4-6月期国内総生産
休場:ハンガリー、エジプト、モロッコ、サウジアラビア、カタール、トルコ、クウェート、エストニア、パレスチナ自治区、アラブ首長国連邦、ベネズエラ、コロンビア、アルゼンチン

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