ドル底堅い、米雇用情勢の改善を見極め

本日のドル/円は底堅い値動きとなりそうです。通商摩擦などを背景に、引き続き安全通貨のドルと円に買いが入りやすい地合いとなる見通し。今日と明日発表のアメリカの経済指標で雇用情勢を見極めようと、ドルは売りづらい展開となるでしょう。

「居心地のいい水準」でもみあい

9月5日の取引で、ドル/円はもみあい。アジア市場では仲値でドル不足による需要増から買いが膨らみ、8月以降の抵抗線とみられていた111円50銭を上抜け、111円70銭台まで上昇。オーストラリアの経済指標の上振れも支援します。その後は株安や新興国通貨の軟調地合いを受けた円買いでドルは押し下げられ、111円50銭付近の「居心地のいい水準」を中心とした値動きとなりました。
欧米市場では、イギリスのEU離脱に関する報道が好感され、ポンド/円とユーロ/円が強含み、ドル/円はアジア市場で付けたこの日の高値をわずかに上抜け、111円75銭まで値を切り上げました。しかし、北米自由貿易(NAFTA)再交渉の妥結に向けたアメリカとカナダの協議はなお不透明で、円買いが優勢に。ただ、ドルと円は「一蓮托生」の値動きで、ドル/円の値幅は36銭にとどまりました。

ドルは売り買いともに限定的か

イギリスのEU離脱に関しては、ドイツのメルケル首相が双方の合意に向けあらゆる努力をするとの見解を示し、イギリスの強硬離脱は回避されるとの見方からポンドとユーロが買われました。ただ、具体的にドイツがイギリスに対するタフな要求を取り下げるわけでもなく、イギリスとEUの交渉を見守る状況に変わりはありません。また、NAFTA再交渉も、アメリカとカナダの協議も引き続き注視されます。
このような不透明要因が続くなか、本日も安全通貨としてドルと円に買いが入りやすい地合いとなりそうです。今晩はアメリカの8月ADP非農業部門雇用者数や4-6月期非農業部門生産性、失業保険継続申請件数など雇用関連指標が注目されます。堅調な内容となれば明日の雇用統計の上振れに思惑が広がる見通し。ただ、9月利上げは織り込まれ、ドル・円の上昇は限定的と予想します。
一方、セントルイス連銀のブラード総裁は5日の講演で、金融引き締めは中立的で十分な水準に達しているとし、利上げの打ち止めを主張しています。今後は連邦公開市場委員会(FOMC)でそうしたハト派的な意見が強まればドル1強は解消に向かい、他の主要通貨や新興国通貨にも資金が回り始める可能性はあります。
■主な注目材料
08:00 韓国7月経常収支
09:00 コロンビア8月消費者物価指数
10:30 豪7月貿易収支
12:30 タイ8月消費者信頼感
14:45 スイス4-6月期国内総生産
15:00 独7月製造業新規受注
16:00 チェコ7月貿易収支、鉱工業生産、建設生産高
ハンガリー7月工業生産高
16:30 スウェーデン中銀定例会合/政策発表
18:00 インドネシア8月消費者信頼感
南ア4-6月期経常収支
20:00 ウクライナ中銀定例会合/政策発発表
20:30 米8月チャレンジャー人員削減数
21:00 ブラジル8月消費者物価指数
21:15 米8月ADP非農業部門雇用者数増減
21:30 米4-6月期非農業部門生産性、米失業保険継続申請件数
カナダ7月建設許可件数
22:00 メキシコ6月全体設備投資
22:45 米 8月サービス業PMI
23:00 米8月ISM非製造業景気指数、7月製造業受注、耐久財受注
05:00 ペルー7月貿易収支
休場:ブルガリア

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