ドルは伸び悩み、対日制裁観測が重石

本日のドル/円は上値の重い値動きとなりそうです。通商摩擦の激化が警戒されるなか、アメリカ雇用情勢の改善でドルは安全通貨として買われやすい見通し。ただ、トランプ政権の強硬な対日政策が予想され、日本経済の先行きを懸念した円買いが見込まれます。

強い米雇用統計で111円台回復

9月7日のドル/円は下げ渋り。アジア市場は朝方から円買い基調が強まり、日本株安を手がかりに110円38銭まで弱含む場面もありました。その後は北米自由貿易(NAFTA)再交渉の妥結に向けたアメリカとカナダの協議に対し過度な警戒が弱まり、円は下げに転じます。また、トルコリラや南アランドなど新興国通貨が底堅い値動きとなったことも、円買いを後退させる要因となりました。
焦点となったアメリカの8月雇用統計は、失業率が小幅に上昇したものの、非農業部門雇用者数と平均賃金が予想を上回り、全般的に堅調な内容が好感されドルは111円台を回復。その後、トランプ大統領が中国に対する制裁について一段の強化を示唆し、両国の激しい摩擦による世界経済への懸念から、ドルは再び110円台に。ただ、NY終盤にかけては買戻しが入り、111円台を維持して取引を終えました。

日米関係がそのまま相場に反映

週明け10日のドル/円は、アジア市場早朝は111円付近でもみあい。この後は日本株安を背景に小幅に円買いが進み、ドルは110円後半を中心にもみあうでしょう。ただ、米中摩擦への懸念が続くなか、安全通貨のドルは買われやすい見通し。雇用統計を吟味すると、広義の失業を示すU6失業率は前月よりもさらに改善。2001年以来の低水準で、拡大基調を一段と強める可能性があります。
ただ、前週報じられたように、トランプ政権は目先、日本への圧力を強める可能性があります。アメリカの対日貿易赤字は697億ドルと、中国(3429億ドル)、メキシコ(762億ドル)に次いで3番目に大きく、是正に向け厳しい要求を突き付けてくるはずです。安倍晋三首相との関係が「本当に」親密だとしても、自動車関税と農業市場開放は避けられず、日本株安・円高を意識する必要はありそうです。
■主な注目材料
07:45 NZ4-6月期製造業売上高
08:50 日7月経常収支、4-6月期国内総生産
10:30 中国8月消費者物価指数、生産者物価指数
13:00 マレーシア7月鉱工業生産
14:00 日8月 景気ウォッチャー調査
15:00 デンマーク7月貿易収支、8月消費者物価指数
ノルウェー8月消費者物価指数
ルーマニア7月貿易収支
エジプト消費者物価指数
16:00 チェコ8月消費者物価指数、失業率
16:00 トルコ4-6月期国内総生産
17:00 インドネシア7月小売売上高
17:30 英国内総生産、7月貿易収支鉱工業生産、製造業生産、建設生産高
18:00 ユーロ圏8月消費者物価指数
21:00 ウクライナ8月消費者物価指数
23:00 米8月CB雇用情勢インデックス
04:00 米7月消費者信用
休場:イスラエル、ベネズエラ

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